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2009年02月10日

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危機乗り越え感慨無量 2011年消費税上げ明記見送られる
5_5.gif ■2009世耕弘成

 消費税を2011年から上げることを税法の附則に明記するかどうかについて自民党内で大きな議論となった。 きっかけは年末に十分な党内の平場の議論が行われないまま、 政審、 総務会と党内手続きが幹部のみで進められ、 2011年からの消費税上げを明記した 「中期プログラム」 が閣議決定されたことにある。 これが単なる閣議決定であればいいのだが、 年が明けて税法に明記するという動きが出たものだから、 党内で反対論がわき起こり、 慎重派と推進派に分かれて議論が行われたのである。
 世界中の国が経済危機を乗り切るために減税や財政出動の議論をしている最中に、 日本だけなぜ増税の議論をしなくてはならないのか? 公務員改革や国会議員の定数削減が前提でないと国民の理解が得られない。 ワタリを認める政令が出てきたような中で消費税は国民に理解されない。 2011年から景気が上向くとの保証はあるのか? などなど色々な論点が出てきた。 党の分裂につながりかねないくらい、 慎重派と推進派の対立は深刻になっていった。
 転機は15日朝の財務金融部会での伊吹元幹事長による 「2011年までに枠組みの法律を作り、 実際に消費税を上げる時には別途上げ幅や時期を決めた法律を作らなくてはならないんだよ」 という 「中期プログラム」 に関する解説だった。 素人ではとても読み取れない、 税のプロである伊吹さんならではの深い解説だった。 出席していた慎重派の茂木敏充議員と私は顔を見合わせ 「それならば、 妥協点はある。 2011年までに法律を作ってもダイレクトに消費税上げにつながらないということだ。 その点が明確になるように、 わかりやすく文章を修正すればいいんだ」 ということで二人で動き始めた。
 安倍元総理も事態の収拾に乗り出した。 15日昼の清和政策研究会総会終了後、 推進派の町村信孝議員と慎重派の中川秀直議員を交渉のテーブルに着かせ、 私に修文案作成を命じた。 麻生総理と直接コミュニケーションをとり、 河村官房長官や菅議員など麻生総理側近や塩崎恭久議員、 山本一太議員や私といった慎重派にもコンタクトし 「こんなことで党を割るべきではない」 と訴えた。 財務省や官邸の官僚からも正確な情報を得ていて、 調整作業の中で的確なアドバイスをしてくれた。 安倍元総理がいなければ今回の合意には達することはなかっただろう。
最終的に1月22日朝の財務金融部会で税法改正案が承認された慎重派の意見が取り入れられ、 2011年消費税上げの明記は見送られ、 上げる場合には別途法律を作ることが確認された。 また消費税上げの大前提として 「行革と無駄の徹底排除」 が明記された。
 自民党には多種多様な人材がいて、 オープンな平場の議論を通して政策をまとめ上げていく能力があることを示すことになった。 危機を乗り越えて感慨無量である。
 私のブログ 「世耕日記」 (http://blog.goo.ne.jp/newseko) は最近少々スタイルを変更し、 従来の日記形式に加えて、 上記のような生々しい動きを伝える 「主張」、 「雑感」 のカテゴリーを追加した。 一度訪問してみてほしい。


(2009世耕弘成)
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