■2009西博義
2月18日、 私はワクワクしながら、 早朝、 宿舎を出た。 めざす先は、 東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センター。
私の地元・広川町林業研究会 (岩崎安雄会長) の代表5人が、 今年度の 「全国林業グループコンクール」 に近畿地区代表として参加するのである。
このコンクールは、 林業技術の向上や林業経営の発展のために、 積極的な林業グループの活動・研究を発表する催しで、 林業グループ相互の発展やリーダーの育成に役立っている。
先に到着して、 待っていると8時ごろに懐かしい顔が意気揚揚と現われた。
中でもひときわ元気なのは地元出身で大阪の大企業に勤務した後、 Uターンし森林組合の職員としてリーダー的な役割を担っているK君である。
広川町津木地区は、 大部分が険しい山間部が続く森林区域で、 戦後は、 大規模に植林が行われた。 間伐が必要な森林が多いにもかかわらず、 木材価格の低迷と過疎高齢化のため整備が遅れている。
その現状を打破しようと、一念発起した若手を中心に、研究会は高性能林業機械による低コスト間伐搬出作業に取り組みだした。
林野庁も推奨している京都府日吉町森林組合などの先進的な取り組みについて研修を受け、 津木地区に最適な低コスト作業システムを開発すると張り切っている。
さらに、 ゼンマイに似たシダ科の植物で、 天ぷらにするとおいしい早春の山菜・こごみを地元の産物として定着させようと頑張っているとも聞く。
また、 林業研究会では、 森林・林業の役割と重要性について地域の子どもたちの理解を深めるため、 小学校で体験教室を開催している。 間伐や木工体験や機械化施業の紹介などを行なっている。
子どもたちが森林と生活の関わりに興味を持ち、 将来何らかの形で地元に還元してくれる人材が育ってくれればとの思いが表れている。
先日、 津木中学校で開催された 「ホタル保護・研究活動20周年記念式典」 にお招きいただいた。 実は、 K君はこの活動の初期のメンバーでもある。
子どものころに、 「ホタル保護研究活動」 を通して、 自然に親しみながら、 自らの力で考え、 行動する態度が養われたではないかと改めて教育の重要さを認識させられた。
地元の若者たちが、 周りにある自然と農山村の生活に共感し、 次世代の子どもたちに伝えてくれる端緒を開いてくれたことに、 心から感謝したいし、 協力もしたい。
さて、 林業に関しては、 地球温暖化対策の一環として間伐が進められているが、 木材そのものの利用は十分ではない。 与党では、 現在、 地球温暖化の防止や林業の振興のため、 「木材利用推進法案」 と 「バイオマス活用推進基本法案」 のとりまとめを行っている。
それぞれ、 法案の骨子が出来上がり、 両党で法案化に向け本格的に検討しているところである。 この2つの法律が成立すれば、 木材の需要を創出することができ、 山村に少しでもお役に立つのではないかと思う。
さて、 広川町の林業研究会は、 コンクールで、 林野庁長官賞を受賞した。 今後の広川町林業研究会の活躍を大いに期待したい。
(2009西博義)
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