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f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
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2009年04月21日

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李大統領面会や東アジア会談中止 週末のドラマチックな経験
5_5.gif ■2009二階俊博

 先々週末は、実にドラマチックな経験となった。
 10日の金曜日には、天皇皇后両陛下のご成婚五十周年の祝賀の儀が皇居で開かれ、両陛下共にお元気なご様子で、慶賀に堪えない思いでした。同じ日の午後三時から総理官邸で麻生総理を中心に、自民党役員、公明党太田代表等、さらに経済閣僚等総勢約50名が集合、かねて協議を重ねていた「経済危機対策」について最終的なとりまとめを行った。補正予算総額15兆4000億円で、事業規模56兆8000億円という最大規模の危機対応策が、政府与党合意の下に出来上がった瞬間であった。
 18時51分、麻生総理、中曽根外相と私は、政府専用機で羽田を発ち、タイのパタヤに向かった。機中では食事をしながら、松本官房副長官も加わって、明日からの会議のこと、日中のこと、日韓のこと、中小企業対策、如何にして不況を脱出するか、金融対策のこと等、約3時間にわたって熱い議論や楽しい議論が続いた。
 飛行時間は約7時間で、政府専用機は、夜中の現地時間23時40分(日本時間翌11日午前1時40分)、予定通りタイのウタパヤ基地に静かに到着した。深夜の街を約1時間、車で走って、宿泊地のAMARIホテルに入った。既に日付は変わっていたが、私の部屋で、ERIA(東アジア・アセアン経済研究センター)の西村事務総長から、最近の活動状況について報告を受けた。その後は明日からのハードスケジュールに備えて、その場は散会することにした。この時点で、翌朝からの日中首脳会談や日本とCLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ヴェトナム)の閣僚会議等の日程調整は、タクシン元首相支持派のデモ隊(数千名)の動向次第で予断は許さないとの情勢であった。 
 案の定、早朝から予定されていた中曽根外相と日韓の外相会談は中止となり、電話会談となった。時間と場所を変更して開催された日中首脳会談、日韓首脳会談、さらに日中韓首脳会談には、いずれも、経済産業大臣として中曽根外相と共に同席した。
 また、日中と日韓の首脳会談の合間を縫って、陳徳銘中国商務大臣とのバイ会談が行われた。WTOドーハラウンド交渉は日中協力でアメリカに働きかける、世界経済の回復のため日中協力して内需拡大に努力し、経済復興を共にリードする、という点で一致した。さらに陳大臣から「6月に日本で開催される日中ハイレベル協議の前に、もう一度、二人で話し合いたい。場所は、東京でも北京でも結構」との話があり、私からは、「国会があるので日程を調整してみる」と応じた。 最後に私から、「関経連の下妻会長(住友金属会長)、野村大阪商工会議所会頭(大阪ガス会長)等関西代表団が60数名で訪中される。その際、陳商務大臣の都合がつけば一行に会ってもらいたい。重要なミッションですので、良い返事を待っている」と申し上げた。
 さらに、日韓首脳会談の後、日中韓の首脳会談が始まるまでの間、李明博大統領と会談の機会を持つことができた。大統領からは、韓国の中小企業対策、麗水(ヨス)万博の成功のための日本の積極的な協力に丁重な感謝の言葉が述べられた。「二階大臣の都合のつく時、韓国に正式に招待したい」とも言われた。李大統領は直前の日韓首脳会談の場で、歴史問題について触れられた。それを踏まえ、私は、作家の神坂次郎先生の著書「海の伽耶琴」について簡単に紹介し、「日韓の間にも両国の人々が感動するような素晴らしい物語が沢山ある」と申し上げた。「ハングル文字で出版してあるので必ずお届けするので読んで下さい」とも申し上げました。大統領も、「このようなことの積み重ねが大切だ」と言われた。
 その後に予定されていた「ASEAN+3首脳会談」や「ASEAN+6」の「東アジア首脳会談」は、デモ隊の騒ぎで主催国のタイ政府は中止を発表、これに伴い、経済大臣関連の会合も中止、24時間に満たないタイ滞在となったが、直ちに私たちも帰国の途についた。
 羽田に到着したのが12日午前4時前。金曜日の宮中行事から、誠に慌ただしいスケジュールであった。


(2009二階俊博)
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