わかやま新報は、和歌山市を中心とする和歌山県北部唯一の日刊新聞です。
f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
f_ss_ishida.jpg 石田 真敏
f_ss_tsuruho.jpg 鶴保 庸介
f_ss_sekou.jpg 世耕 弘成
f_ss_ooe.jpg 大江 康弘
f_ss_kishimoto.jpg 岸本 周平
f_ss_sakaguchi.jpg 阪口 直人
f_ss_tamaki.jpg 玉置 公良
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2009年05月19日

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UAEと日本の関係強化 マグロ媒介に皇太子とパイプ
5_5.gif ■2009世耕弘成

 ゴールデンウィークを活用して5月2日から6日の日程でアラブ首長国連邦 (UAE) のアブダビ首長国を訪問した。 目的は近畿大学の養殖技術の適用可能性のチェックと和歌山の農産品の販売促進である。 近畿大学から村田水産研究所長、 岡田大島実験場長が、 そしてみかん産地から望月有田市長が同行。 また農産物販売のプロや飲食店関係者も同行してくれた。 そして氷づけにされた30キロクラスのマグロ2匹と大量の和歌山の果物と関連製品を同国に持ち込んだ。
 今回の訪問のきっかけは一昨年4月に安倍総理 (当時) に同行してUAEを訪問した際に、 次期大統領就任が確実なアブダビ首長国のムハンマド皇太子がマグロの養殖に強い関心を示したことにある。 養殖への協力をとおして和歌山の農林漁業に関心をもってもらい、 高品質な農産物の輸出につながれば和歌山に大きなプラスになると考えた。 UAEは一人あたりGDPが世界最高水準であり、 世界が経済危機に苦しむ中、 特にアブダビは豊富な石油と資金をバックにひとり気を吐いている。 UAEの中でも金融で急発展したドバイはかつての勢いを失っているが、 アブダビはそのドバイをも抱え込んで勢いを増し、 世界の国々が競ってアブダビの関心を引いて資金を引き出そうとしている状態になっている。
 まず市場の視察を行ったが、 魚も果物も品質が高いとは言えず、 和歌山県産のものを持ち込めば十分勝負できるとの感触を得た。
 また農林水産業を担当するラシード環境・水資源大臣と会談。 今後の養殖技術と和歌山の果物流通で協力していくことで合意し、 覚書の調印を行った。
 さらに大使公邸で近大マグロと和歌山農産品の試食会を開催した。 ホテルや地元スーパーのバイヤー、 マスコミ、 在留邦人らが多数出席、 解体したマグロの寿司や刺身、 あぶり焼きやミカン、 ミカンジュース、 梅干しなどが振る舞われ大好評であった。
 そして今回の最大の成果はムハマンド皇太子に拝謁する機会を得たことである。 同皇太子は石油、 金融、 航空等重要ビジネスを完全に掌握しており、 同国の実質的最高実力者である。 同皇太子には世界中から面会要望が殺到しており、 滅多に外国人には面会しないといわれている。 日本の外務大臣でも面会はできず、 日本人でこの数年で面会したのは福田前総理と安倍元総理だけという状況である。 その皇太子がマグロの話を是非聞きたいということで急遽面会してくれることになった。 予定は10分と言われていたが、 皇太子から養殖に関して質問がたくさん出て、 予定を大幅にオーバーし30分程度の会談となった。 安倍元総理からの親書を手渡し、 和歌山の近畿大学水産研究所を視察するよう要請し、 皇太子からは非常に前向きの答えをもらった。 非常にコンタクトを取るのが難しいと言われていた皇太子と、 マグロを媒介にパイプを築くことができた。
 今回の訪問を機に、 UAEと日本、 和歌山県の関係強化、 そして和歌山県の農産物の販売促進につなげていきたい。


(2009世耕弘成)
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