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2009年10月27日

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厳しく抗議したい 新政権の「子育て支援」執行停止等
5_5.gif ■2009西博義

 秋晴れの10月12日、 紀の川市の 『青洲祭り』 に参加した。

 『青洲祭り』 は、 世界で初めて全身麻酔による乳がん摘出手術に成功した華岡青洲の遺徳を偲ぶ行事である。

 青洲の生涯については、 郷土出身の偉大な作家、 有吉佐和子の小説 『華岡青洲の妻』 に詳しく記述されている。 乳がん摘出手術に成功したのは、 青洲44歳の時、 今から205年前の1804年 (文化元年) である。

 麻酔薬 『通仙散』 が完成したことにより、 乳がんだけではなく、 外科、 整形外科、 泌尿器科、 眼科、 産婦人科などに関わる多くの手術が苦痛を伴うことなく治療できることになり、 患者は全国から殺到して、 門下生となった医療関係者も千人を下らなかったという。

 紀の川市では、 青洲の遺志を受け継ぐべく、 乳がんの撲滅を訴えるキャンペーン 「ピンクリボン運動」 に取り組んでいる。

 前回の 『がんばってます』 (6月16日付) で紹介したように、 平成21年度補正予算の中に女性特有のがん対策として子宮けいがんとともに乳がん検診の無料クーポン券が配布されることになった。乳がんの場合、40歳から60歳の間の5歳刻みの女性が対象である。

 紀の川市の取り組みはさらに進んでおり、 30歳からは超音波による検診、 40歳以上はマンモグラフィーによる検診も加えて、 乳がん検診はすでに全女性を対象としている。

 先人の築いた歴史を現在に生かす、 先進的な取り組みであると敬意を表したい。

 ところで、 前回、 身近な補正予算についていくつか紹介した中で 「子育て応援特別手当」 については、 民主党政権により執行停止された。

 子育て支援として、 3~5歳児に3万6000円支給される予定であった。

 執行寸前であったので、 全国知事会など地方6団体からは、 「現場に大きな混乱を与えるとともに、 地方の実態を軽視し、 地域主権を謳う新政権への期待を損なうもの」 として同手当の停止について反対の声が上がっている。

 すでに自治体が使った経費と、 停止するため新たに必要となる事務費の計131億円がムダとなった。

 さて、 鳩山政権は、 「人を守る政治」 を行うなどと主張している。

 しかし、 がん、 小児等の疾患関連予算では、 医薬品等の審査の迅速化分25億円と、 「適応外薬」 の開発支援分653億円を執行停止している。

 小児科分野では、 大人を対象としている薬品で子どもの治療を行っている実態が多くある。 これを薬の 「適応外」 使用という。

 薬によっては、 成人よりも多く投与しなくてはいけないものもあるし、 また、 精神薬やタミフルなどのように、 小児には成人にはあまり見られない副作用が出ることもある。

 現在、 医師の責任と裁量で分量を加減しているが、 子どもたちが安心して治療を受けるには、 適応外薬に関する研究・開発が急がれる。

 民主党の補正予算見直しは、 ムダかどうかではなく、 大部分は執行済みかどうかという基準で行っている。 無意味な基準で、 重要な予算を執行停止にしたことに対して、 厳しく抗議したい。


(2009西博義)
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