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f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
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2009年12月29日

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過疎対策を恒久法に 「地域主権」で新たな法律制定を
5_5.gif ■2009西博義

 十二月に入って、日高川町中津・美山、有田川町清水やかつらぎ町花園など日ごろ訪問する機会の少ない所を訪れている。

 訪問したのはいずれも過疎集落であったが、高齢化のためほとんどの家庭は年配者だけで、寒い季節は、たいてい家か、もしくは家の周りにおられる。

 有田川町清水の山間の一軒家を訪ねたときのこと。道路から玄関へ通ずる坂道にネットが張り巡らされているので留守かと思ったが、網をくぐって入るとご夫婦がおられた。

 理由を聞くと、鹿が家の横の野菜畑まで侵入してくるので、それを防ぐためとのこと。

 目の前の山林を指差しながら「昔は雑木林だったので、動物の餌になる木の実や新芽がいっぱいあった。しかし、最近はこのように杉やひのきの植林が大きくなって餌がなく、ここまで畑を荒らしに来るようになった」と嘆く。その他、通う病院が遠いこと、バスの便数が少ないことなど様々な苦労話を聞かせていただいた。

 ただ、町に出た子供たちが帰ってこないと嘆く声は誰からも聞かなかった。過疎地の生活がいかに困難かを骨身に沁みて感じておられる方々だけに、その沈黙は重いと感じた。

 さて、これまで4度にわたり、過疎対策のための議員立法が制定されてきた。一定の成果が見られたものの、地域では人口減少と少子・高齢化が一層進行し、生活の維持が困難となる集落が増えつつある。

 国土交通省の調査では、10年後消滅する可能性のある集落数が日本全体で約2600集落になるという。

 こうした状況を受けて、公明党地域活性化推進本部では、平成19年に「過疎集落実態意識調査」を実施。その調査結果を踏まえて、「過疎集落対策に関する申し入れ」を行った。

 現在の過疎法は、10年の時限立法なので来年3月末に失効する。公明党は、申し入れの内容を実現すべく、過疎集落対策を講じるとともに、新しい過疎法の抜本的改正を目指して現在、検討を進めている。

 見直しの具体的なポイントは、①恒久化、②新立法ルールの適用、③指定単位の見直し、④ソフト事業の創設などである。

 まず、恒久化とは、過疎対策を国の基本的な施策として位置づけ、時限立法ではなく、恒久法とすることである。

 次に、新立法ルールの適用とは、「地域主権」の考え方に基づいて、国からの義務づけや指示などが少ない法律にすることである。

 現行法では、全市町村だけが指定単位となっている。そこで、「全市町村」「一部地域」「過疎集落」と、地域の実情に応じて三種の指定ができるよう単位を見直してはどうかと考えている。

 さらに、これまでのハードへの財政支援に加えて、医療・教育・交通・情報通信などへの使途が自由な「過疎対策基金」等を創設することや、集落支援員制度法定化することなど、ソフト事業の充実も検討している。

 われわれは、地域の実情を踏まえた、きめ細やかな過疎対策を充実するとともに、地域のことを自ら決定し、財源・権限と責任も自らが持つ「地域主権」に沿った新たな過疎対策に関する法律の制定に取り組んでまいりたい。


(2009西博義)
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