わかやま新報は、和歌山市を中心とする和歌山県北部唯一の日刊新聞です。
f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
f_ss_ishida.jpg 石田 真敏
f_ss_tsuruho.jpg 鶴保 庸介
f_ss_sekou.jpg 世耕 弘成
f_ss_ooe.jpg 大江 康弘
f_ss_kishimoto.jpg 岸本 周平
f_ss_sakaguchi.jpg 阪口 直人
f_ss_tamaki.jpg 玉置 公良
サイト内を検索


5_5.gif
<<メイン>>
2010年02月04日

ganba_title.jpg
日米安保50年の節目 両国の関係は果たして対等か
5_5.gif ■2010大江康弘

 今日の日本の繁栄を支えてきた大きな要因の一つが日米同盟の核をなす 「日米安全保障条約」
であるといえる。

 安全保障においては選択肢が多くない我国にあって、 他国からの脅威を第一義に考えることなく、 自国の安全を究極の安全保障であるアメリカの核に委ね、 経済のみに全力投入できた結果である。

 その日本の安全を守ってきた日米安全保障条約は今年、 半世紀を経て50周年の記念すべき年を迎
えたが、 不幸にも我国においてあまり米国に関心のない政権が誕生したせいで今、 日米関係がおかしくなりつつある。

 昨年、 来日したオバマ大統領は、 リップサービスよろしく気配り発言が目立った。 「日米同盟はアジア太平洋地域の安全と繁栄の基礎」 「日本の経済的繁栄は奇跡」 そして 「日米対等」 等々、 確かにこれらの言葉は前政権まではストレートに受け止めてもおかしくなかったが、 今の鳩山左傾化政権には切ないまでも米国の希望的願いの言葉であろうと感じる。

 およそ鳩山政権を支持する者以外は誰一人として、 日本と米国は対等などとは思ってもいないし、 世界の国々も全くそんな関係などと認識していない。

 しかも 「日・米・中は正三角形」 というようなとらえ方に至っては現状認識の間違いもはなはだしい。

 中国は核を持ち約20年にわたって、 2ケタ代の軍事費の増強を続け、 今やアメリカにとっては最大の潜在的脅威国であり、 片や、 日本は核の議論さえ封殺し、 一国では自分の国さえ守れないのに、 どうして正三角形などといえるのか。 せいぜい二等辺三角形だろう。

 その日本が、 どうしてアメリカと対等なのか。

 日米安保条約第五条と六条を一読すればわかるが、 日本は基地を提供、 米国だけが日本国の防衛義務を負うという片務条約である。

 しかも歴代政府は 「集団的自衛権は行使できず」 という法制局の馬鹿げた憲法解釈を採択している。

 そんな日本を米国も世界も 「対等の同盟国」 などとみなしているはずはない。 確かに沖縄の過重な基地負担には多くの国民も同情しているし、 何とかならないのかとの思いはある。

 しかし、 日本の領有権を犯し続けながら軍事大国化する中国や、 核を持ちミサイルを我国に狙いを定める無法国家北朝鮮の動向をみれば、 沖縄は北東アジアの中で最重要な地政学的、 戦略的な地位を占める地域である。

 そんな現状も顧みず、 すでに決着している普天間問題をむしかえし、 新たな火種として、 北東アジアに緊張をもたらす危機的状況を生み出している鳩山政権には米国内に不信感が広がりつつある。

 真に対等をいうならば、 我々にはまだまだ越えなければならない、 いくつかのハードル (憲法九条、核論議、武器輸出三原則等々) が存在している。

 そんなハードルをしっかり越える勇気や覚悟もない今の我々日本が日米同盟のありのままの現実を見失い、 いたずらに 「日米同盟対等」 という美辞に酔うべき時ではない。

 多くの先人の苦労の結果としてある今日の日米同盟を、 もっと、 前向きに建設的に進化させていかねばならない大切な時期に、 時計の針を左回りにさせるような政権が日本に誕生した不幸を情けなく思う一人である。


(2010大江康弘)
5_5.gif


5_5.gif

この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio