わかやま新報は、和歌山市を中心とする和歌山県北部唯一の日刊新聞です。
f_ss_nikai.jpg 二階 俊博
f_ss_nishi.jpg 西 博義
f_ss_ishida.jpg 石田 真敏
f_ss_tsuruho.jpg 鶴保 庸介
f_ss_sekou.jpg 世耕 弘成
f_ss_ooe.jpg 大江 康弘
f_ss_kishimoto.jpg 岸本 周平
f_ss_sakaguchi.jpg 阪口 直人
f_ss_tamaki.jpg 玉置 公良
サイト内を検索


5_5.gif
<<メイン>>
2010年04月06日

ganba_title.jpg
公共事業の再考慮を 雇用創出含め社会に多様な便益
5_5.gif ■2010大江康弘

 民主党政権による初めての予算が、 充分な審議もされず、 また、 国民が最も不信に思っている 「政治と金」 についての疑惑を何一つ解明しようとしない中、 数の力で通ってしまった。

 口を開ければ 「無駄使いの廃止だ」 「公共事業の削減だ」 と言いながら、 究極の政治ショーの事業仕分けでは、 たった7000億円足らずのお金しか集められず、 しかも、 資源のない日本が今日までの経済力や国力をつけてこれたのも、 国民の勤勉さもさることながら、 国策としての 「人作り、物作り」 といった技術力の向上を目指してきた事が大きな成果となってきたのも評価せず、 「一番でなく、二番で何故いけないのか」 と言った、 耳を疑うような言葉で日本の技術力をおとしめていくような事業仕分けの女性議員には言葉を失う。

 一番を目指して、 その地位を確保、 国際的にも認知されている原子力産業や環境技術の分野においてさえも、 UAE (アラブ首長国連邦)やベトナムの原子力発電の工事の発注においては政府の非協力的、 消極性も原因の一つではあるが、 我国が受注できなかったというのが、 各国がしのぎを削る国際競争社会の現実である。

 今、 一つ日本が誇る技術力がある。

 それは建設・土木の分野であり、 これも民主党は口を開けば 「無駄」 とか、 「公共事業ダメ論」 を声高に募り、 挙句は 「コンクリートから人へ」 とコンクリートと人が対立するイメージを作り上げてきたが、 今日までの公共事業が各社の競争の原理を働かせ、 世界が認める高度な技術力を有してきた事実は否めない。

 バラまき公約で税収不足に陥り、 公約破りの暫定税率を維持しても国債発行は44兆円と過去最大。

 公共事業への筋違い発言で、 唯一、 4年間目標であるマニフェストを1年でやってしまったのが、 18・3% (1兆3000億円)減で5兆8000億円まで削ってしまった新年度の公共事業予算費である。

 公約違反 (暫定税率の維持) やマニフェスト違反の多い中、 国民も小泉内閣以来の公共事業叩きにすっかり慣れてしまい、 コンクリートの部屋に居ながら、また、 コンクリートのインフラ整備で生活の安全、 安心が守られているにも関わらず 「人を大事にするから良い政策だ」 と受け入れてしまう世論にはあきれてしまう。 イメージとして、 日本の経済を牽引するものとして、 自動車産業が語られているが、 雇用は約8%、 GDP比は約3%、 一方建設業界は不況の中でも全雇用の9%、 GDP比約6%、 30兆円という内需を創出している土木を過少評価し過ぎではないか。

 公共事業の生み出す乗数効果、 この言葉の意味さえも今の財務大臣は分からず、 予算委員会で質問されても答えられなかったが、 民主党はこの 「フロー効果」 や 「事業効果」 は認めず、 工事そのもののハードである 「ストック効果」 の罪ばかりを強調、 その極端な例が 「費用便益分析=BバイC」 である。

 子ども手当ての乗数効果は投資1に対してわずか0・44、 公共投資は1・18倍であり、 欧州においても雇用創出の高い公共事業を、 公共投資と雇用対策をパッケージとして、 どちらもGDP約2・5%位 (合わせて5%) の予算規模で行っている。

 マクロ経済効果が語られることが少ない、 我国の土木政策において、 公共事業を展開すれば雇用創出も含めて、 多様な便益を社会にもたらすという公共事業評価を今一度、 考慮すべきである。


(2010大江康弘)
5_5.gif


5_5.gif

この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio