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2010年04月13日

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一人ひとりが夢を持って 頑張った人がむくわれる社会を
5_5.gif ■2010鶴保庸介

 過疎法の延長と拡充が、 先日全会一致で本会議で了承されました。

 私が昨年の多くの時間を費やして徳島県の山口代議士や兵庫県の谷代議士らとともに作り上げたものがたたき台となって、民主党とすり合わせたものです。

 これまでは過疎債の使い道がかなり限定的でありましたが、これからは対象施設が大幅に広げられるとともに、町おこし事業の手助けをするソフト事業等にも使えるようになります。

 和歌山県は合併の結果、主要市部でさえ多くが過疎債の対象地域となるかの判断が迫られることになっていました。「過疎」という響きには何か後ろ向きのイメージが付きまとうものですが、過疎指定をされていたほとんどの自治体では財政状況の逼迫するなか、再び過疎地域に指定され、少しでも財源にゆとりを持つことを望んでおられました。今回の改正では現行法による過疎地域に加え、人口及び財政力に関する一定の要件を満たす地域を過疎地域として追加することにしていますので、この点は安心をいただけたと思います。

 それでも、多くの人にとって、「過疎」とは自分とは遠い話といわれることでしょう。

 しかし、私がこの問題に特に力を入れてきたのは、和歌山県は過疎地域が県土面積の半分以上を占めるということだけでなく、これら過疎地域へのまなざしはまさに、「地方」へのまなざしにつながる、と思ったからであります。

 効率化を求めるなら、人口の集積を成し遂げさえすれば多くの行政問題は解決するでしょう。極端にいえば、人口数千人の過疎の町なら東京にあるような摩天楼をいくつか建ててそこに全町民、村民に住んでいただくようにすればよいのです。しかしこれはすなわち全国民を東京やその周辺に集積すればよい、という議論にもつながります。

 しかし本当にそれで良いのでしょうか?

 過疎地域は言うに及ばず、わが和歌山県を始めとする地方では、息子や娘さんは都会、という家庭がほとんどです。

 限界集落ならほぼ100%に近いかもしれません。家族が望まないのに離れ離れに暮らさなければならない状況は、経済的な成否よりももっと根源的な問題で有るはずですが、これまでこのことに政治は正面から向き合ってこなかった。耕作放棄地の対策や地方の公共事業、高齢化問題や医師不足など地方を取り巻く問題はすべて根源でつながっているのに、です。

 これまでこの国は経済的成功なくして幸せはあり得ないとばかりにこぞって豊かさの享受に狂奔してきました。そして必要最低限の豊かさは満たしました。いまや働けるのに働かない、声を上げさえすれば、国が、社会が助けてくれることが当たり前だと思っている人が出てくるまでになっています。それでも自殺者は3万人を下らないのですが。

 そんな中、本当の豊かさは「やる気」を持って前向きに生き、そして他者の幸せのために生きうること。自らの夢を実現しうる可能性と希望に満ちている社会こそ必要なのだと多くの人が気付きはじめているのではないでしょうか。

 政治は今大きく変わろうとしています。

 頑張ったものがむくわれる社会、 そしてそのために生活の最小単位で有る家族が支えあい、人間の安心を与えることのできる社会。 そんな社会を作るためにセーフティネットをしっかりとしき、規制を緩和し自由を与える。そんな社会を作らねばなりません。 経済的効率性を重視した欧米型の経済成功至上主義でもやる気を失わせる福祉主義でもなく、一人ひとりが夢を持って生きることができる社会こそこれからの政治の目指すべき道だというメッセージを政治は明確に持たねばなりません。

 しかし繰り返し申し上げてきたこのことも、政治の現場で実現できなければ何の意味もありません。政権が交代してあらぬ方向に世の中が向いていこうとしている時だからこそなおさらです。

 他策なかりしを信ぜむと欲す。といった郷土の大先輩、陸奥宗光翁の心持で、私は今夏、三度目の参議院選挙への挑戦を致します。県民のみなさんにご理解いただけることを念じています。


(2010鶴保庸介)
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