■2010大江康弘
先日、いささか古い映像となった感があるが、元アメリカ副大統領アル・ゴアの 「不都合な真実」 というドキュメンタリーをあらためて見て、我々の地球に起こっている温暖化による影響の深刻さを痛感した。
30度台が当たり前になった猛暑、やがて40度台が自然になってこの和歌山の名産のみかんがバナナやパイナップルに変わっていくのではないか、と思う位の気候変動が起きている。
オバマ大統領のグリーン・ニューディール政策は化石燃料中心の社会構造を改めて、自然エネルギー分野を開発し、新たな雇用を生みだしながらエコ社会の産業構造に変えていこうというものであるが、私が申し上げたいのはエネルギー分野の構造転換には、原子力発電の積極的利用も含まれていて、しっかりとその事に向き合う姿勢を持つということである。
かつて本県は数十年前、この原子力誘致で不幸にも地域を二分する騒ぎになったことは記憶に新しい。
唯、当時の反対運動はイデオロギー的な理由が大きく、背後でそのような反対思想の待ち主が扇動して、ことさら問題の本質を地元の人々から遠ざけるといったような行動が目立ち、立ち消えとなった不幸な経過がある。
今日の地球規模の環境破壊の困難に対して、我が故郷を少しでもその状況改善に応えられる地域として、プレゼンスを高めていくことが我々の責任であるという思いから、もう一度原子力設置を是非、訴えたいと思っている。
資源、とりわけ原油の95%を中東から輸入し、かつては2度の石油ショックを経験し、日本中が混乱に陥ったが今後もそのようなことが起こらないとは限らない。
この不安定な資源供給の中、地球規模の温暖化対策も喫緊の課題であり、いかに安定的なエネルギーを確保していくかは政治の最大の使命であろう。 すでに、その安全性は世界で証明済みであり現在の稼働数は30ケ国で435基、建設、計画中は28ケ国で189基、また将来構想としては37ケ国で299基であり、現在はアメリカが104基、2位の仏は58基、3位は日本で53基、4位ロシアで31基と今のところ我が国は安定供給が可能であるが、今後の見通しとなると住民合意も含めてスピード感を高めながら進めていかなければならない。
何と言っても持続可能なエネルギー源を自国で確保することが必要であり、それを持ち合わせているのは原子力発電である。
サステナブル(持続可能な)条件としては、①技術的に可能②経済的に優れていること③将来にわたり資源的問題がない④将来世代に大きな負担を残さない⑤温曖化ガスを排出しないか処理できること⑥廃棄物が安全に処分できる⑦安全性、施設だけでなく3Sといわれている核不拡散(safeguards)・核セキュリティー(secur ity)・安全(safety)⑧人材育成、技術力維持が問題なく行われる⑨社会的に受容できるとこれらの条件が挙げられる。
かつて思想的に反対していた人々は環境破壊を訴えていた人達で、今、世界中が環境破壊の最大の原因である化石燃料を少なくして環境に優しい原子力にと流れが変わってきている現実を彼等がしっかり受け止め、この和歌山県に原子力誘致を率先して運動してくれるだろうと期待をする一人である。
さあ、皆さん、全国に先駆けて環境浄化運動の先頭に立って、原子力誘致をこの和歌山でやりませんか。
(2010大江康弘)
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