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2011年06月28日

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現地でこそ実感できる 国会議員の被災地支援活動
5_5.gif ■2011阪口直人

 3月11日に発生した東日本大震災から100日余りがたちました。 「国会議員が行う被災地でのボランティア」 について問題提起をしたいと思います。

 国会議員が被災地に入ることについては賛否両論があります。 国会議員の仕事は、 まずは政策や立法措置を行うこと。 ボランティアとして汗を流してもマンパワーとしては、 一般の方々の力を超えるものではありません。 むしろ、 忙しい現地の方々に余計な気遣いをさせて邪魔になる。 そんな意見も聞きます。

 しかし、 現場の声、 そして現場だからこそ感じられる被災者の思いをくみ取る手段としてのボランティアを行うことは意義があると思います。

 震災直後、 和歌山県を含む多くの県や自治体が被災者の受け入れを表明しました。 余震が続き、 ライフラインが寸断され、 十分な食料もない状態で寒さに震えているよりも、 どうぞ私たちのところでゆっくりしてください。 そんな温かい申し出が多く寄せられました。 しかし、 実際に県外に避難したのは予想より遥かに少ない方々でした。 特にお年寄りにとっては、 外部に避難するといってもせいぜい隣町。 親せきがいて、 家族がいて、 まだ安否不明の愛する人々がいるふるさとからは離れたくない。 そんな思いは現地に行ってこそ実感できました。
 復興支援を日本再生に結びつける視点では、 できることなら、 環境にやさしく、 またコミュニティーを継承できるようなエコタウンを建造し、 日本経済の再生にもつなげていきたいところですが、 被災者の方々はコンセプトはどうあれ、 一日も早い復旧を求めています。 そのあたりの現場と永田町、 霞が関の温度差を埋め、 省庁、 そして国、 県、 基礎自治体の縦割りの弊害を超えて判断するのも政治の役割です。

 従って、 政策決定に必要な一次情報にアプローチする目的もあわせ、 数人の仲間と 「震災ボランティア室」 を立ち上げ、 生活再建支援の現場で活動するとともに、 現地で活動する方々の後方支援を行ってきました。
     ◇
  「国会議員であること、 民主党であることは名乗らない」
 震災ボランティア室は、 これまで延べ1100人以上の民主党国会議員、 秘書を被災地に送り、 毎週、 汚泥の処理やヘドロに埋まった家具の搬出、 救援物資の搬入や炊き出し、 さらに心のケアなどあらゆる分野の生活再建支援を行ってきました。 5月上旬には民主党国会議員が一斉に避難所を訪問。 聞き取り調査、 そして政府による今後の支援方針を伝えるための対話を行いました。 小さな避難所、 中心地から離れた避難所など、 これまで議員があまり行っていない場所をカバーできるように配慮し、 避難所の格差を埋め、 問題解決に寄与するためにも、 引き続き担当した議員が責任を持ってフォローを続けています。

 震災ボランティア室の中にはさまざまな独自のプログラムがあります。 山口県選出の高邑(たかむら)議員が中心になり、 『希望の牧場構想』 として、 原発事故現場から20㌔範囲内の、 放射線の影響を受けた動物の命を最大限、 未来に活かすための活動もそのひとつです。 原発事故の被害者は人間だけではありません。 人間の姿が消えた20㌔範囲内では、 牛舎や豚舎の中の家畜は餓死し、 また、 生き残った動物同士が共食いを始めるなど、 凄惨な光景が広がっています。 しかし、 適切に安楽死をさせる、 そして可能なら、 低レベルの放射線を受けた動物への影響を生化学的見地から研究し、 命を守ることの意義を考える場にしたい。 高邑議員の訴えが、 今、 「希望の牧場」 として身を結ぼうとしています。

 ジョン・レノンの言葉に 「一人で見る夢はただの夢にすぎないが、 みんなで見る夢は実現する」 という言葉があるそうです。 人間だけではなく、 動物の命も尊いのです。 人間のせいで朽ち果てようとしていた命を人間の力で活かしていく。 そんな 「希望の牧場」 構想。 是非、 早期に実現したいものです。


(2011阪口直人)
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