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2011年08月02日

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「一票の格差」の解決へ 各党で新たな選挙制度検討中
5_5.gif ■2011石田真敏

 衆参の選挙制度はどうなるのかと、ご質問いただきました。自民党でこの問題を担当している党・政治制度改革実行本部の事務局長を務めていますが、結論から言えば、衆参ともにまだ決定されていません。

 この問題の発端は、政権交代がなされた平成21年衆院選での「一票の格差」に、最高裁が今年3月に違憲状態と判断を下したことです。特にこの判決では、単純な人口比例でなく、都道府県に一議席ずつ割り振った上で、残りの議席を人口に応じて配分する、いわゆる「一人別枠方式」が格差の主因として廃止を求められました。

 また参議院でも昨年の参院選の「一票の格差」について、各地の高裁で違憲判決や違憲状態判決が下されています。

 これらを受け、各党がそれぞれ定数削減の公約実現も含め、選挙制度を検討しています。 以下、衆院選小選挙区の主な改革案を紹介します。

(1)自民党案1(0増5減)
 ①最小人口県である鳥取県(約59万人)の定数2を維持し、平準化により約29万人を1選挙区の最小人口とする
 ②この場合、87万人以下の鳥取、島根、高知、徳島、福井、佐賀、山梨の各県が定数2(5減、鳥取、島根はすでに定数2)
 ③2倍(58万人)を超える4選挙区(千葉4区など)や29万人を下回る8選挙区(和歌山2区など)では、それぞれの都道府県内で区割りを調整(0増)
(2)自民党案2(0増4減)
 ①人口を総定数で割った1議席当たり約42・7万人を基準として、格差が2倍を超えないように選挙区人口を設定(計算すると、選挙区人口の最小は約28・5万人、最大は約57万人)
 ②以下の手順は自民党案1と同じですが、基準が異なるため山梨県は定数3
(3)民主党の当初案(21増21減、ただし党内での反発が強く再検討)
 ①人口を総定数で割り1議席当たりの人口を算出(約42・7万人)
 ②都道府県の人口を①で割り、整数分が一次配分(東京は30・83で、一次配分は30議席)
 ③小数点以下の大きい順に総定数になるまで都道府県に追加配分
(4)民主党の2つの修正案
 ①案 最小人口県である鳥取県の定数2を維持し、格差を1・75倍に抑える(5増9減)
 ②案 定数1の県をつくらず、格差が2倍以内になるよう21増21減を調整(6増6減)
 ※案では和歌山は2議席となります。

 衆院選比例代表については、自民党はそもそも少数政党の声を国政に反映させる制度でもあると考え、少数政党への配慮をした上で定数を削減する案を提示し、民主党は比例代表の定数を180から100に削減する案を示しています。

 また、参議院における改革案は各党や西岡参院議長から示され、8月にも検討会で議論が開始されるとのことです。民主党案は隣接する選挙区を統合して5つの合区をつくるなど選挙区定数の2増22減、自民党案は選挙区定数の8増12減、公明党案および西岡議長案はそれぞれ9と11の大選挙区制への再編、みんなの党は選挙区廃止のうえ11の比例区にするというものです。

 以上のように、都市部に議席が集中する単純な人口比例でなく、最高裁の判決を踏まえた適切な成案を得るべく、衆参ともにがんばっています。

 さらに、現在の小選挙区制度の欠点も指摘されています。たとえば、人材育成です。小泉チルドレンは89名から10名程度となり、小沢チルドレンが140名あまり生まれた反面、自民党の一期生はたったの4名です。これほど当落が揺れ動けば、若い政治家が育つことは不可能です。

 それだけに、小選挙区制度の見直しも視野に入れた中長期的な抜本的改革も、しっかり議論を進めることが必要だと考えます。


(2011石田真敏)
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