95歳のおじいちゃん、荷造りひもでかご作り

工夫がいっぱいの作品と大前さん 平たいポリプロピレン製の荷造りひも 「PPバンド」 でオリジナルのかごを作り続けている大前益蔵さん(95)=和歌山市神前=が11、 12の両日、 長女と次女が開く書道展(和歌山ビッグ愛)でかご作品を披露する。 現在要介護2の大前さんだが、 デイサービス施設でも制作しており、 「皆さんに見ていただけたらうれしい」 と話している。

 デザインや編み方はすべて自己流で、 青に黄と赤を編み込んだもの、 細切りのバンドで幾何学模様に変化をつけたもの、 脱衣かごに最適の大きな亀甲かご、 ねじって線を浮き出させたものと実に多彩。

 花を編み込んだかごには 「四花弁の花  『しあわせ』 よ 休まず働く色の籠」 と書いたカードを添えるなど、 温かい心配りも多い。 また、 小さなエンゼルフィッシュや風船を作ってかごに付けたり、 印を四角の中に象の絵(マスの中のゾウ=益蔵)にしたりと遊び心もたっぷりだ。

 きっかけは新宮市で兄と陶磁器店を営んでいた約30年前。 荷物が届くと捨てられてしまうきれいなPPバンドがもったいないと、 山歩き用の座布団を編んだことだった。 軽くて丈夫と好評で、 仲間にも作ってプレゼントした。

 その後レパートリーが増え、 新宮市のカルチャー教室でボランティアで教え、 生徒との作品が県のシルバー展覧会で知事賞を受賞。 交通安全週間にはお守り用の小かごを200個も配った。

 昨年初めまで車も運転した大前さんだが、 腎不全で入院し、 5月に妻よしねさん(89)と新宮市から和歌山市に引っ越してきた。 今は長女の西紅邑さん(61)と暮らす。

 かごを出品する 「第15回紅邑会書道展」 は、 共に書家の西さんと二女の小西翔紅さん(59)が2年に1回開く教室合同展。 二人はは、 「父が健康で過ごせるのはかご作りのおかげと思います。長寿の秘けつをご覧いただけたら」 と話している。

 問い合わせは西さん(℡073・474・6825)。


2011年02月04日 13:51