衛生感覚の見直し 試食の際、気をつけて!

爪楊枝が付いた、 試食品のイメージ

 毎年3月中旬に、 和歌山近鉄百貨店で 「全国美味(うま)いもの巡り」 という催しが開催されます。 その名の通り、 日本全国から名産・名品が集まり、 人気のあるイベントです。 ことしは九州新幹線開通の時期と重なりましたが、 その前日に東日本大震災が襲いました。 この催しのために来られた業者のお一人にお話を伺いました。

 「和歌山の方に毎年たくさんお越しいただいてありがたいです。 ただ、 試食をしていただこうと小さく切り分けた食材を提供しているのですが、 せっかく爪楊枝をさしているのに、 まだ爪楊枝をさしていないものを手でじかにつまんで召し上がる方がいて当惑します。 さらに中には…」

 言いにくそうにされるのを無理にお聞きすると、 和歌山人の意外な習性が。 「爪楊枝で召し上がった後、 その爪楊枝を並んでいる食材に戻される方がいます。 これは他ではないことなので、 先輩に聞きますと 『和歌山の人は時々そうされる』 と…」

 そう言ってから、 業者さんは慌ててこう付け加えました。 「いえ、 他の地方では試食品を食べるだけで、 なかなか買っていただけないところもあるのに、 こちらではたくさんお買い求めいただけて、 とてもうれしいです」

 生肉による食中毒事件が世を騒がせた昨今、 この機会に私たちの衛生感覚を見直してみたいものです。 あまりに過敏な潔癖性も、 いかがなものかとは思いますが。
  (宮本年起/和歌山)


2011年07月24日 15:58