夏の思い出を話そう 私たちにできる観光発信

和歌山の観光資源をPRするパンフレット

 沖縄県の農作物を「めっけもん広場」で販売するため、 紀の川市に来られた、沖縄本島在住の陽気な青年を、お城の見えるホテルでマッサージさせていただきました。 主力商品であるマンゴーは2日目であらかた売り切れる盛況で、 うれしい悲鳴であったそうです。

 「沖縄では毎日のように、海で泳いでいるのでしょう?」 と尋ねますと意外な返事が返ってきました。 「観光客の皆さんはね。 地の者はあまり泳がないのです。 サーフィンをする人も少ないです。チームを作って草野球を楽しむのが一般的かな」 と。

 観光県・沖縄にとって海は商品だから、 売り手は商品に手を付けないというのです。 県内の広い範囲を米軍基地に提供し、 その上、 コバルト色のきれいな海までもっぱら観光客に捧げている沖縄の人々のけなげさ、 心優しさに心打たれる思いがしました。

 この夏、 和歌山県内の海水浴場へ行ったという県民の方は大勢いらっしゃるでしょう。 私たちは地域の観光資源との関わりが深いと思います。 実際に訪れて体感した良さを思い出にしまい込んでしまわず、 県外の親戚や知人に話すことは、 観光資源のPRにつながるのではないでしょうか。

 「ところで和歌山の産品で、これは気に入った、ぜひ沖縄へお土産に持って帰ろう、と思ったものはありましたか?」と質問してみました。「ありました。桃です。びっくりするほどおいしいですね」と絶賛してくれました。

 「明日、もう一泊するのでマッサージをもう一度受けたいです。でも、明日の晩は打ち上げの宴会があるから、 酔っぱらってしまうかも」。 翌日、 ご依頼はありませんでした。 しっかり仕事をし終えた後のおいしい酒に、 すっかり酔いしれてしまったのでしょう。
  (宮本年起/和歌山)


2011年08月22日 09:08