2008年06月25日

2008 04.文化・くらし

江戸時代の和歌山は全国に誇れる教育レベル 県文化財センター理事の小関さんが講演会

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身分を越えた制度を紹介する小関理事長

初代紀州藩主徳川頼宣が整備した妹背山(和歌山市和歌浦中)の復興と、そこに込められた心の継承を目指す市民団体「妹背山護持顕彰会」 (松本惠昌代表)の文化講演会が22日、同市県公館で開かれた。県文化財センター理事長で前県教育長の小関洋治さんが「藩政期和歌山の教育」 と題し、江戸時代の和歌山に身分を越えた画期的な教育制度があったことや、全国に誇れる教育レベルだったことなどを話した。
小関さんは、「日本の義務教育普及率が100年以上前に98%と世界最高水準になったのは、明治5年の学制発布と、その土台になった江戸時代の教育制度がある」とし、 「江戸時代は実態以上に暗く窮屈な封建社会と位置づけられている。もっと見直されていい」 と話した。
特に紀州藩について、 「頼宣の 『父母状』 は有名だが、 武 のイメージが強い5代藩主吉宗が実は教育を重視していた」と指摘。1713年に吉宗が、身分の貴賎、武士・庶民を問わず希望者すべてを受け入れるという画期的な学問所 「講釈所」 を開いたことを紹介した。
さらに、 「吉宗が8代将軍になってから行った享保の改革の施策の約8割と、庶民の教育のためにと 『六諭衍義大意』 を出させたことは、紀州藩主の時実施したことの全国拡大版だった」 と話した。
また、10代藩主治宝がつくった藩校 「学習館」 と 「医学館」 のレベルの高さ、藩内に数百あったとされる寺子屋の具体的な様子、私塾、郷校についても紹介。「藩主の熱意と、庶民の学ぶ姿勢、身分の区別のない教育が、教育水準をあげる原動力」と語った。





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