2008年07月26日

2008 03.スポーツ

大会新となる4試合連続本塁打で優勝に貢献 猛打の中心、智弁の4番坂口にせまる

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智弁の4番坂口

智弁が4年連続16回目の優勝を飾った第90回全国高校野球選手権記念和歌山大会で智弁の坂口真規選手=写真=が同大会新記録となる4試合連続本塁打を放ち、県の球史に新たな記憶と記録が刻み込まれた。 決勝でも先制の犠飛と適時中前打を放ち勝利に貢献。夏の和歌山大会を盛り上げ、 甲子園でも注目を集めるであろう坂口選手に迫った。

身長186cm、 90k。 最近は大柄な選手が多くなったとはいえ、 その立派な体格は目を引く。 昨夏の甲子園、 仙台育英の佐藤由規投手(現東京ヤクルト)から特大の本塁打を打って一躍注目の的になった。
野球エリートが集う智弁だが、 坂口選手は必ずしもそうではない。 中学時代にプレーした打田タイガースではいわゆるなかずとばずの平凡な選手。しかし、 時々目の覚めるような当たりを放った。 髙嶋仁監督は 「体が大きいし、 育てればモノになる」 と考え、 智弁への進学を進めた。
三宅秀二部長は入学当時の坂口選手を 「ひどかった。 下半身が動きまくって、 まったく打てなかった」 と振り返る。 周りの評価は低く、母親の文枝さん(40)は常に 「あんたはガラクタなんやから。 でもな、 ガラクタでも再生して磨けば光るんや。 一流になれるんや」と息子の背中を押す。 そんな言葉を胸に地下足袋を履いた打撃練習、 竹バットでのトス、 ティーバッティング...厳しい練習を通して、 下半身が安定。1年の秋には4番に指名されるまで成長した。 坂口選手本人も 「俺は人の倍、 練習せなあかん。 こんなんでは智弁の4番は張られへん」 と、今でも毎日、 日付が変わるまで庭でバットを振り続けているという。
大きい体、 いかつい風貌、 しゃべればお調子者の高校生。 しかし、 野球に取り組む姿勢は半端ではない。 長距離打者にありがちな「本塁打が打てたらいい」 という考えは一切ない。 あるのは「チームが勝つためのバッティング。 いかにチームに貢献できるバッティングができるか」だ。
本塁打を打った後、 ダイヤモンドを一周するときはまったく笑わない。 大会新記録の4試合連続本塁打を打った直後のインタビューでも「たまたまです」 と謙虚に話し、 「本塁打を打っても勝たなければ意味がない。 笑うときは優勝したときだけです」 と、 まじめで実直な性格だ。
今大会、 準決勝の串本戦で放った値千金の逆転の本塁打にも 「バットの先だった。 納得できない」 と、 家に帰ってからビデオを何度も見て素振りをした。
甲子園で優勝すれば髙嶋監督の甲子園勝利数が歴代単独1位になる。 自分の才能を見抜き育ててくれた髙嶋監督に感謝をこめて、 「勝ちたい。 優勝です」 と意気込む。

◇決勝(24日)

日高中津0000100203
智弁和歌山00110030x5
[日] 木本 - 里和 [智] 岡田 - 森本
本塁打 田甫▽2塁打 浦田、 芝田2、 森本(智) 井藤(日)





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