2008年08月28日

2008 04.文化・くらし

全国初の「胡ろく」型埴輪 岩橋の大日山35号墳で見つかる

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復元された胡ろく形埴輪

県教委は26日、 和歌山市岩橋の県立紀伊風土記の丘にある特別史跡岩橋千塚古墳の1つ、 大日山35号墳(6世紀前半)で、 日本初例となる胡ろく形の埴輪はにわが見つかったと発表した。 胡ろくとは馬に乗る時に腰に着ける矢を入れる道具。 背負うタイプの靫ゆぎ形埴輪は全国的に出土しているが、 胡ろく形はなかった。
大日山35号墳は、 紀の川流域を治め朝鮮と交流した当時の有力豪族紀氏きうじの首長墓とされる県内最大規模の前方後円墳。 県教委が平成15年度から発掘調査し、 17年度に陶片を見つけ復元作業を行っていた。
埴輪は実寸より大きく作られており、 立てるための円筒形の基部も含めると高さ96cm、 横幅約39cm。 中央に膨らんだ矢筒があり、 5本の矢を表現した線刻や、 ベルトや紐、 勾玉形飾り金具を表現した部分もある。
大日山35号墳からは 「翼を広げた鳥形埴輪」 と 「両面人物埴輪」 の日本初例の形象埴輪が確認されているが、 胡ろく形埴輪と近接してあった両面人物埴輪の頬には、 同じ矢羽と矢じりの線刻がある。 武人や飾り立てた馬などの埴輪も共に出土していることから、 紀伊風土記の丘では、 「古墳時代の武具の研究の貴重な資料になる」 とし、 さらに 「中央政権とは違う、 弓矢について独特の表現をする武力的埴輪群像。 独自の文化圏として大陸とのつながりを表現しているのかもしれない」 と話した。
「胡ろく形埴輪」 は30日から9月15日まで紀伊風土記の丘資料館で展示される。





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