2008年09月14日

2008 04.文化・くらし

和歌山西国三十三ヵ所観音霊場観光活性化へ 3団体が始動

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完成したばかりのポスターを手に今後の計画を練る道澤さんと霊場会会長の山本住職、 語り部の山本さん(左から、惠運寺で)

和歌山城を取り囲むように点在し、 今も江戸時代の面影を色濃く残す 「和歌山西国三十三ヵ所観音霊場」。 この観音霊場めぐりを活発化させ、 和歌山の観光を元気にしようというプロジェクトが動き出している。 連携する和歌山西国観音霊場会と和歌山市語り部クラブ、 小梅日記を楽しむ会は、 「和歌山市の観光地は分断されており、 お城の後は車で和歌浦や紀三井寺へというのが現状です。 お城の近くの観音霊場は気軽に歩いて楽しめる素晴らしい財産」 と計画を進めている。

「和歌山西国三十三ヵ所観音霊場」 は、 第1番髙松寺から第33番圓藏院、 さらに奥之院毘沙門寺を加えた34の観世音菩薩寺院からなり、 33番までは和歌山城を中心とした半径4キロ以内にまとまっている。 いつ出来たかは不明だが、 資料から80年前にはあったことは確かで、 歴史はもっと古いとされる。
今回の霊場めぐり復興とネットワーク化を提案したのは、 和歌山大学大学院で江戸文化見直しによる和歌山活性化を研究実践している道澤康裕さん (66)。 現在展開中の小梅日記によるまちづくりの提案者でもある。
道澤さんは、 「和歌山は城下町であると同時に寺町、 宗教都市です。 味わい深いお寺がたくさんある」 と昨年夏から全寺院を巡り、 office2Bが発行したガイドブックにも刺激され、 初めての霊場会公認ポスターをこのほど製作した。
また、 檀家寺としての仕事に忙しく参拝者への応対が困難な住職もいるため、 語り部が住職に代わり案内するシステムを考えた。 「江戸の雰囲気と住職の魅力と語り部の魅力でお客さんを満足させたい。 南海電車とタイアップし大阪から客を呼ぶことも計画している」 と道澤さん。
和歌山西国観音霊場会会長で第10番惠運寺 (吹上) の山本寿法住職 (41) は、 「全国にミニ霊場は多いが、 ここはまとまっていて回りやすく体力づくりにもいい。 寺院ごとにご利益も仏像も、 歴史やゆかりの人もそれぞれ違うので生活の潤いになると思う」。 そして 「住職が自分の言葉で話し参拝者を接待するのが理想ですが、 語り部さんと連携して前向きに取り組みたい」 と話す。
和歌山市語り部クラブの山本隆造さん (76) も、 「内容とホスピタリティーが必要。 いかにお客さんに楽しんでいただけるか模索しています。 街を元気にするお役に立てたら」 と笑顔で。
3人は、 「本格的な活動はこれから。 いろいろなアイデアも出ています。 協力し合い、 じっくりと進めていきたい」 と意欲を見せている。





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