「和歌山ブルース」や「柳ケ瀬ブルース」などのご当地ソングを地方活性化への貴重な文化遺産として見直し全国に発信しようと14日、和歌山市の県民文化会館で「全国ご当地歌謡ブルースサミット&記念カラオケ大会」が開かれた。全国で初の試みで、この日午前中は著名な作曲家の基調講演やパネルディスカッションがあり、午後から全国の歌自慢がさまざまなご当地ソングを情感たっぷりに歌い合った。
歌手古都清乃さんの「和歌山ブルース」誕生40周年を記念したメーンイベントで、地元のぶらくり丁商店街などでつくる同実行委の主催。県や本紙などが後援した。
サミットではまず、「夫婦舟」「雨酒場」などのヒット曲で知られる作曲家の聖川湧さんが「ご当地歌謡ブルースの誕生と歴史」と題し講演。聖川さんは歌謡ブルースのリズムはジャズ、ブルースの演奏スタイルである4ビートが日本で進化したものと説明した上で、「歌謡ブルースをさらに奥行きのあるものに変えていくために、もう一度原点に立ち返り、日本の音楽を活性化していきたい」と話した。
このあと、古都さんと和歌山放送のパーソナリティー小田川和彦さんが「和歌山ブルースと作曲家田正」をテーマに和歌山ブルースの誕生秘話や田さんの思い出話を披露。古都さんは「ぶらくり丁に昔のようにたくさん人が戻ってくるようにという気持ちで、和歌山ブルースを歌い続けている」。小田川さんも「和歌山ブルースには真田堀や紀の川など地元の地名がたくさん入っている。まちおこしとしてぴったりのご当地ソングだ」とした。続いて、音楽マスコミの関係者らが参加し、ご当地歌謡ブルースの名曲10選について和やかに話し合った。
記念カラオケ大会は、全国から予選を勝ち抜いた60人が「和歌山ブルース」などを熱唱した。