2009年04月21日

2009 04.文化・くらし

おだやかな最後迎えるため

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「悠久の歴史の中から今ある自分を考えるのが大切」と細井さん

患者の目線でホスピスをと、このほど和歌山市の護念寺で「生死を超えた『いのち』の在りかを求めてホスピスの看取りの経験から」と題して講演した細井順さん(57)。滋賀県近江八幡市の院内独立型のヴォーリズ記念病院のホスピス長として新しいホスピスに取り組んでいる。

病変を切り取って終わりということに外科医としての限界を感じていた細井さんは、父親が胃がんになり、外科医長として勤務していた淀川キリスト教病院のホスピスで看取った後、ホスピス医になる。父親の看取りがきっかけとなったことに「外科医のころは最後まで見てあげたいと思う気持ちが常にありました。何ができるかということを考えていたところターミナルケアに気づきました。人は病気でなくても死んでゆくので、病気で死んでいくのではなく生活の中で死んでいくんですね」とやさしく語る。
平成10年に愛知国際病院で愛知県初のホスピスの開設に携わり、14年からはヴォーリズ記念病院で地域に開かれた新しいホスピスを推進し、18年に院内独立型の新ホスピスを完成させた。「生活の延長線上にホスピスがあること。家族団らんの生活が整い、医師はその生活の中で医療者として手伝う。主人公はあくまでも家族」という。その中には牧師さんがいたり、宗教家がかかわったり、ボランティアがあったり。「人員的配置は病院などとかわりませんが、心をときほぐすところ。より日常生活に近い環境で人間らしさを残した患者目線に近いところでケアをしています」とホスピスを語る。ミーティングやカンファランスもよくするが、あくまでも人として接していこうという思いだという。平成16年には腎臓がんの手術を受けるが、なおも新しいホスピスの充実と普及のため啓蒙活動にも取り組む。
「親から生命をもらうが、全体としては大きな一つの生命があり、同時代の人が支えながら生きていくことに生きる意味がある」という細井さん、「今の時代は助け合っていく気運に欠け生命が枯れてきている感じ。地球も枯れてきているよう。医療も人間全体としてみることに欠けているように思う」と憂う。
どのように生きようかと考えると苦しいが、どのように死のうかと考えると見えてくるものがあり、自分の役割を終えてどのように次の世代にバトンタッチするかを考えるべきという。
「人間はみな有限のなかで生きている。悠久の歴史の中から今ある自分を考えることが大切。しっかりした死生観を持つことでおだやかな死を迎えることができる」と多くの体験で得た宝を平静な心で語った。





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