2010年01月03日

03.スポーツ

吉報届くか智弁&向陽【新年号4部22面】

第82回センバツ
智弁 = 最有力候補か
向陽 = 文武両道が評価

吉報待つ両チームナインを紹介

3月21日、 甲子園で開幕する第82回選抜高校野球に向け、 智弁和歌山、 向陽の2校に注目する。

ことしの智弁は伝統の強打が最大の特徴。 センバツ出場の目安となる秋季県2次予選は、 チーム1のスラッガー西川、 夏の甲子園を経験した主軸の猛攻で他を寄せ付けずに圧勝し、 3年連続10回目の優勝、 9年連続17回目の近畿大会進出を果たした。 同大会でも準々決勝で6―7と惜敗の末、 立命館宇治に敗れたがベスト8と健闘した。

一方、 向陽は古豪復活として期待が大きい。 県2次予選は智弁に優勝を譲ったが、 準優勝。 36年ぶり出場となった近畿大会は1回戦で敗退したが、 強豪・天理に3―4まで詰め寄るなど強さを見せた。 また、 県内屈指の進学校であり文武両道の実践が評価され、 21世紀枠の近畿地区候補に選出された。 OBには野球殿堂入りした伝説の大投手・嶋清一さんがいたり、 ことし創立95周年の節目であることなど明るい話題もある。

智弁 伝統の強打復活で夢が広がる

新チームは2年生11人、 1年生10人がそろう。 伝統の強打が特長。 夏の甲子園経験者が7人と多く主力が残る。山本定寛、岩佐戸龍、瀬戸佑典、西川遥輝、城山晃典に、1年道端俊輔は実戦も経験。城山主将は「新チームは0点に抑えるより1点でも多く相手から奪うスタイル」 と分析。

山本定は身長182cm、 体重90kg、 胸囲100cm。 巨体を生かした飛距離砲。 岩佐戸は器用なバッティングのほか、 長打力にも定評。 秋季決勝は6打席5安打6打点と絶好調だった。 瀬戸は守備センスが光るが、 夏の県予選決勝では右越え3塁打で貴重な先制点をあげた。 道端はセンスを買われ、 唯一1年生でベンチ入り。 強肩強打でチャンスメークができる。


甲子園経験は豊富好打者の西川遥輝

入学した春からレギュラーを獲得。 春季県大会4本塁打で存在感を発揮した。 走攻守三拍子そろうが、 2度のけがに悩まされた。 おととし夏の甲子園前に右手首を疲労骨折した。 痛み止めを打ちながら、 準々決勝の常葉菊川戦を5打数3安打2打点と活躍した。2度目は昨年6月に左手の甲を骨折。 弱音を吐いたが、 中日ドラゴンズの岡田俊哉投手やナインに支えられた。 「精神面を鍛え、 飛距離をもっと伸ばすことが課題。 上を目指して頑張りたい」 と話している。

監督=髙嶋仁▽部長=栗山一平▽主将=城山晃典▽選手=岩佐戸龍、久保翔平、瀬戸佑典、西川遥輝、西川優輔、畑中良太、坂東裕貴、藤井健、山本定寛、吉元裕、青木勇人、上野山奨真、小笠原知弘、中村恒星、平岡志大、古田恭平、道端俊輔、宮川祐輝、山本隆大


秋季大会3試合、1失点、31得点

昭和53年(1978)に創立の私立。 センバツ出場8回、 優勝1回、 準優勝2回の成績を残す。 25試合18勝7敗。 勝率7割2分。 新チームの主軸西川遥輝は、 中日ドラゴンズにドラフト1位で入団したOB・岡田俊哉投手をもって 「これからの智弁を担うのは遥輝」 と言わしめたほど。 プロスカウトマンも注目する。

昨年10月4日の秋季和歌山大会1回戦は対耐久。 2回に1点を許したが、 先発宮川祐輝とエース吉元裕の好継投で1失点に止めた。 打線は小笠原知弘や山本定寛、 西川遥ら主力が長打を浴びせ、 9―1の8回コールドで圧倒した。 準決勝は対市和歌山。 コントロールに定評のあるエース吉元が安定感のある制球で9回完封。 打線も爆発し、 本塁打2本、 2塁打5本と猛打を浴びせ、 10―0と完勝した。 決勝は対向陽。 先発青木勇人が好投し、 9回を5安打、 8奪三振と相手に好機を与えず完封。 打線面は、 山本定が3試合連続本塁打で強打をアピールしたほか、 岩佐戸龍と道端俊輔が本塁打を放ち、 西川遥は2塁打2本と巧打が光り、 12―0で圧勝した。
1回戦から決勝まで奪われた点はたった1点のみ。 好投をみせるエース吉元、 青木、 宮川の投手陣の活躍、 3試合計31点と平均10点を奪う強力打線など、 センバツにも大きな期待が寄せられる。


向陽 古豪復活に向けて躍進の年

気になる春のセンバツは全国から32校が選出される。 内訳は一般選考28、21世紀枠3、神宮大会1。 一般枠は北海道1、東北2、関東・東京6、東海2、北信越2、近畿6、中国・四国5、九州4。昨年近畿は県内からは箕島が選出。 昭和8年第10回センバツ大会では32校中、海草中、和歌山商、海南中、和歌山中と県内4校が出場したが、現在の通常枠は県内2校。 21世紀枠を入れた3校出場はあり得るが、可能性は少ない。

出場校は、新人戦、秋季大会、 地区大会などが参考資料となる。 近畿大会優勝の神戸国際大付、準優勝の大阪桐蔭、ベスト4の立命館宇治、神港学園。ベスト8の智弁和歌山、育英、天理、福知山成美など強豪がそろう。 向陽は天理に接戦を展開したが、通常枠では望みは薄い。

しかし、 向陽の21世紀枠の可能性は大きな期待が持てる。 平成13年第73回から始まった21世紀枠。 文武両道や地域貢献に取り組む高校などが選考理由として上がる。 向陽は県内屈指の進学校、 地域清掃活動、 創立95周年などが近畿代表の後押しとなった。 西岡俊揮主将は 「秋季大会から一人ひとりの意識が変わった。 前進していきたい」と意気込んでいる。

21世紀枠の9地区は次の通り。

北海道=武修館▽東北=山形中央▽関東・東京=水戸桜ノ牧▽北信越=新潟▽東海=刈谷▽近畿=向陽▽中国=防府▽四国=川島▽九州=長崎商

監督=石谷俊文▽部長=髙田恵雄▽主将=西岡俊揮▽選手=藤田達也、 岡本祐太朗、佐々木駿、谷口祐平、鈴木健太、中岡和章、西山克哉、森敏郎、大槻司、長田龍誠、中村光貴、東山祥典、古木伸哉、三世拓也、後藤拓磨、山本晃佑、金附宏明、津村勇宜、辻岡栄二

21世紀枠からの夢舞台も夢じゃない

大正4年 (1915) に創立の県立。 センバツ出場14回、 優勝0回、 準優勝0回、 ベスト8は3回の成績を残す。 20試合6勝14敗。 勝率3割。 昨年の春季大会では48年ぶり4回目の優勝、 35年ぶり5回目の近畿大会出場を決めたが、 インフルエンザのまん延により中止になり、 幻の近畿大会となった苦い思い出も。

秋季大会1回戦は対伊都。 先発エース藤田達也が安定したコントロールを見せて好投した。 しかし、 3回に長打を浴びて1失点、 6回は2四球を与えて無死満塁のピンチを招くも、 持ち前の負けん気と粘りで後続を三振に打ち取り、 9回を1失点に抑えて完投した。 打撃は、 チームワークによるつなぎの打線が光った。 大槻司、 西山克哉、 鈴木健太、 森敏郎、 津村勇宜らが巧打をみせ、 8―1の8回コールドで伊都を制した。 決勝では智弁に大敗を喫したが、 近畿大会では強豪の天理と互角に戦う。 3点ビハインドから鈴木の左前打や後藤拓磨の犠打、 相手の暴投などで1死1、 3塁と好機を広げ、 津村の内野安打で1点、 西山の中前打などで同点に持ち込んだ。 7回の1失点により3―4と惜敗したが、 強豪相手に詰め寄る姿は評価され、 これまでの文武両道実践が模範になるとして、 21世紀枠の近畿地区候補にも決定。 センバツの切符獲得も現実味を帯びてきた。(本決定は今月29日)

吉報届くか智弁&向陽





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