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山路さん左と飼い主の高見さんに見守られるくぅちゃん |
小さな体につぶらな瞳...でも実は僕、鼻の捜査官なんだワン。平成22年度の嘱託警察犬に合格した県警史上初の小型犬、ミニチュアシュナウザーの「くぅちゃん」(オス、3歳)。臭気選別の分野での合格で、くうちゃんが訓練を受ける藤谷警察犬訓練所の藤谷桂一郎さん(66)は「臭気選別の出動は最近減っていますが、いつでも行けるように訓練を重ねており、出動の時を心待ちにしています」と笑顔で話している。
「くぅくぅ鳴くでしょ。それが名前の由来です」と話すのは飼い主の高見知佐子さん(39)=日高町=。ペットショップで生後3カ月のくうちゃんに一目ぼれしたが、無駄吠えやかみ癖に困っていたところ、各競技会などで優秀な成績を重ねている同訓練所を知って入校させた。
服従訓練などの反応がよく、動きが機敏でここぞという時に集中力を発揮するくぅちゃんの素質に目を付けた藤谷さん。入校して3カ月という異例の早さで平成19年度奈良訓練チャンピオン決定競技会に出場させたところ、服従訓練の部で十数頭の中2位に輝き、さらに3カ月後の京都の大会では見事優勝。いきなりの快挙で担当訓練士の山路和(27)さんや高見さんを驚かせた。
その後も数々の大会で入賞したくぅちゃんを見ていた藤谷さんが、高見さんに警察犬の審査会へ参加する話を持ちかけたところ、高見さんは快諾。5つの臭いの中から同じ臭いのものを嗅ぎ分ける臭気選別の訓練を積み、平成21年度警察犬指定の審査会に指定7犬種以外の他犬種として初めて参加したが落選。2回目の挑戦となる昨年末に行われた22年度で狭き門を突破した。
藤谷さんは「臭気選別は本当に難しい。何度も落ちる犬もいるからね」。くぅちゃんが入校してから担当している山路さんは「人を見た時に瞬間的に吠えるのがなかなか抜けなかった。言ったことはよく覚えるし、叱っても切り替えが早いのがいいところ」、高見さんは「お家では甘えん坊なんだけど」と目を細める。
今後は県警の捜査で名脇役となるべく、小さな体で今日も訓練所を走り回っている。
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