2010年01月30日

03.スポーツ

向陽、智弁、選抜出場決まる

第82回選抜高校野球大会、初出場、向陽高校

出場が決まり石谷監督を胴上げ

球児たちの春が始まった。 3月21日に阪神甲子園球場で開幕する第82回選抜高校野球大会の出場32校 (地区別29、 21世紀枠3) を決める選考委員会が29日、 大阪市の毎日新聞大阪本社であり、 県内からは21世紀枠で向陽、 一般選考枠で智弁が選ばれ、 甲子園の切符を手に入れた。 向陽は36年ぶり15回目、 智弁は2年ぶり9回目の出場。 県勢の2校選出は平成8年の智弁と伊都以来14年ぶりで、 両校のグラウンドは、 ナインの喜びで溢れ返った。

向 陽
21世紀枠近畿代表で注目されていた向陽。 午後2時前から多くの報道陣が詰め掛けた。 校長室で3時5分、 吉報を知らせる電話が鳴ると、 板橋孝志校長がゆっくりと受話器を上げ、 静かにうなずいた。 「謹んでお受けします」 と答え、 ほっとした様子で受話器を下ろした。

グラウンドでは、 結果を待ちわびた選手たちが円陣を組んで待機。 板橋校長から喜びの報告が伝えられると、 こわばっていた選手の表情がゆるんだ。 板橋校長は 「これから新しい試練が始まる。 決しておごらず、 安心せずに足元を見て精進して」 と激励し、 石谷俊文監督は 「みんなもこれから前進して一生懸命頑張っていこう」 と鼓舞した。

「野球をやってきてよかった」と叫びながら抱き合ったりして喜びを爆発させる選手もおり、感極まったナインは、 石谷監督を胴上げし、 念願の帽子飛ばしも。 熱気はしばらく静まらなかった。 髙田恵雄部長も喜びをこらえきれずに涙を流し、 マネジャーたちもすぐそばで 「うんうん」 とうなずきながら喜びを分かち合った。

石谷監督 「感無量です。 海草中の伝統と他の生徒の頑張りがあってこその出場となった。 感謝の気持ちを忘れず臨みたい」

髙田部長 「ようやく結果が出て安堵した。 練習に打ち込む姿を見ていた分、 うれしい。 3年生の頑張りがあって、 よくやってくれた」

西岡俊揮主将(2年) 「21世紀枠に入ったと話を聞いた瞬間、 本当なのかなと疑ったけど、 校長の話を聞いていて現実だと思った」

藤田達也投手(同) 「今まで以上にエースとして気を引き締めたい。 選ばれたことに感謝。 上を目指したいです」

森敏郎内野手(同) 「感謝の気持ちを絶対に忘れず、 甲子園までしっかりと練習したい」

大槻司捕手(同) 「まだ信じられないけど、 夢の舞台に近づけてうれしい」

後藤拓磨外野手(1年) 「本当にうれしい。 甲子園でプレーするところを想像して練習したい」

津村勇宜内野手(同) 「チームを甲子園まで盛り上げていきたい。 この気持ちを忘れずにいたい」
第82回選抜高校野球大会、初出場、向陽高校
「野球をやっててよかった」と喜び爆発

智 弁
第82回選抜高校野球大会、和歌山智弁学園
空高く帽子を飛ばして喜ぶ選手

智弁では午後2時すぎ、 選手たちがグラウンドに姿を見せ始め、 準備体操とランニングなどいつも通りの練習を始めた。 現在甲子園通算58勝、 あと1勝で歴代単独1位になる髙嶋仁監督はこの日も週3~4回登っている高野山に登り、 「神頼み」 ならぬ仏頼み。 グラウンド整備をしながら 「頼むから出してくれよぉ」 と笑顔を見せていた。

電話を待つ校長室では午後3時すぎ、 向陽の出場決定の報告が入り、 藤田清司校長は 「うちはあかんかも...」 とポツリ。 それからもそわそわと落ち着かない様子。 吉報がもたらされたのは3時39分、 電話が鳴り、受話器を取った藤田校長は 「謹んでお受けいたします。 心より感謝します。 感動の試合をしたいと思います」 と答えた。

その後、 グラウンドで選手たちに 「出場が決まりました。 まじめに野球に取り組んでいる姿を認めてくれました。 あと2カ月、 弱点を克服してください。 まず1勝して髙嶋監督を日本一の監督にしてあげてください」 と報告すると、 選手たちからは 「よっしゃ」 と小さく気合いのこもった声がもれた。

髙嶋監督 「(近畿大会が) ベスト8だったので、 正直なところホッとしている。 ことしは打力のチーム。 暴れてくれると思いますよ」

城山晃典主将(2年) 「選んでいただいてうれしい。 打撃が中心のチームです。 チームに貢献できるように頑張りたい。 目標は髙嶋監督を日本一にして、 自分たちも日本一になることです」

吉元裕投手(同) 「近畿大会は僕のせいで負けてしまった。 甲子園で勝利に貢献したい。 三振を狙う投球ではなく、 打たせて取るスタイルに注目してほしい」

藤井健投手(同) 「吉元には負けていられない。 マウンドに上がれば任せてください」

岩佐戸龍内野手(同) 「髙嶋監督をまずは日本一にしたい。 当たり前のプレーを当たり前にこなす、 堅実なプレーをしたい」

山本定寛内野手(同) 「昨年の夏の甲子園は力になれなかったので、 その悔しさをぶつけたい」
第82回選抜高校野球大会、和歌山智弁学園
優勝を誓う智弁ナイン





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