2010年02月01日

00.社会

暴追センターが元暴力団事務所に移転

和歌山県暴力団追放センター

白を基調にした新事務所内

元暴力団事務所として使われていた和歌山市南雑賀町のビルを買い取り、 改装を進めていた県暴力団追放センター (石井清平理事長) の事務所が完成。 1日から新事務所での事業をスタートした。 元暴力団事務所に暴力団追放センターが移転するケースは全国で初めて。 中村佳澄専務理事は 「心機一転で、 暴力団が一つでも少なくなるように排除活動を進めていきたい」 と話している。

同ビルは平成4年に設置され、 同年から元指定暴力団山口組系が組事務所として使用していた。

平成20年に、 破綻した金融機関から組長の債権を引き継いだ整理回収機構 (RCC) が差し押さえ、 和歌山地裁で競売にかけたが、 暴力団関係者に落札されないよう同機構が約5000万円で競り落とした。 同機構から買い取りの話を持ちかけられた同センターは、 約1000万円で購入。 このほど、 約1300万円かけて改装した。

新事務所は1階が93・45平方メートル、 2、 3階が100・37平方メートルで、 駐車場スペースは3台。 2階は相談スペースが設置された受け付け兼事務所で、 3階は各種講習などを行う会議室となった。

室内は白を基調とした清潔感のある雰囲気に。 鉄製の重厚なドアやシャッターなどはそのまま使用しており、 暴力団事務所の名残がある。

同事務所は、 警察OBが常駐職員として3人、 嘱託職員が1人、 ほか保護司や少年指導委員らも非常勤相談員として12人在籍している。 昨年中の相談件数は前年比10件増の74件で、 暴力団関係者から無理やり物品を買わされるなど不当要求などについて寄せられた。

中村専務理事は 「付近の住民から 『安心して生活できる』 という声もあり、 期待が大きい。 最近は暴力団らしい犯罪が減っているが、(暴力団だと)分かりにくい被害が多いので気軽に相談してほしい」と呼びかけている。

相談は毎週月~金曜(休日、祝祭日を除く) で、午前9時から午後5時。問い合わせは同センター(073・422・8930)。





この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio


00.社会 - 同カテゴリの記事






カテゴリー
社会
事件・事故
政治・経済
スポーツ
文化・くらし
紀の川・岩出・海南・紀美野

これまでの特集
月別アーカイブ
株式会社 和歌山新報社
cypress.gif