2010年04月09日

00.社会

命日に山田猪三郎をしのぶ、初飛行100周年記念慰霊祭

国産飛行船日本初飛行100周年を記念する慰霊祭

顕彰碑の前で、 豊間社長 (左から3人目)と杏奈さんを囲んで撮影

和歌山市生まれの航空界の先駆者山田猪三郎 (1863~1913) の国産飛行船日本初飛行100周年を記念する慰霊祭 (南葵史談会主催) が、 命日である8日、 同市新和歌浦の猪三郎顕彰碑前で開かれた。 猪三郎から4代目の豊間清(株)気球製作所社長 (57)と長女杏奈さん (25) が東京から駆けつけたほか、 関西空港海上保安航空基地の飛行機が猪三郎に敬意を表し、 パトロールコース途中の和歌浦上空を旋回するサプライズもあり、 50人が今に引き継がれる猪三郎の業績を称えた。

猪三郎の研究が人命救助のための救難浮輪からスタートし、 日本初の円筒型係留気球も発明していることから、 和歌山海上保安部や県水難救済会、 気球を使って成層圏を調査している和歌山大学学生自主創造科学センター (クリエ) も参加。 業績紹介や献花に続き、 杏奈さんとクリエの大学院生をモデルにした最新型救命胴衣の実演や、 尾久土正己センター長による宇宙と気球の話なども行われた。

尾久土センター長は、 「実は、 昨年学生が実験で使った気球は豊間さんの会社の気球でした。 その時は山田猪三郎のことも、 関係する会社であることも知らなかった」 と意外なつながりを披露。 「これから学生が気球を上げるときは、 ここに来て掃除をしてこいと言っています」 と話した。

豊間社長は、 和歌山大学の学生の活動と聞き、 気球の飛ばし方のサポートをしたことや、 会社に顕彰碑のレプリカがあること、 空へのDNAは航空会社客室乗務員の杏奈さんに受け継がれたことなどを紹介し、 「ひいおじいさん (猪三郎) も郷土の方にこんなにしていただき天国で喜んでいると思います。 ありがとうございました」 と話した。

東京上空を初飛行した9月8日には、 新和歌浦の萬波で百周年記念祝賀会が開かれる。





この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio


00.社会 - 同カテゴリの記事






カテゴリー
社会
事件・事故
政治・経済
スポーツ
文化・くらし
紀の川・岩出・海南・紀美野

これまでの特集
月別アーカイブ
株式会社 和歌山新報社
cypress.gif