2010年04月17日

00.社会

温山荘が国の重文指定へ、文化審が答申

海南市の琴ノ浦温山荘(主屋) - 温山荘が国の重文指定へ、文化審が答申

海南市の琴ノ浦温山荘(主屋)

国の文化審議会(西原鈴子会長)は16日、海南市の琴ノ浦温山荘主屋など3棟と、新宮市の旧西村家住宅1棟の2件(全国では8件)を新たに重要文化財に指定するよう、川端達夫文部科学大臣に答申した。県内の建造物としては平成8年12月の粉河寺以来13年ぶりで、県内の重文(建造物)は78件となった。温山荘は先駆的な建築技術や建材の使用が注目され、旧西村家は日本近代住宅の先駆例として貴重という。


琴ノ浦温山荘は、海南市船尾に所在する実業家・新田長次郎が大正から昭和初期にかけて造営した別荘。潮入の池泉を持つ回遊式の庭園があり、ことし2月22日付けで国の名勝に指定された。この庭園内に主屋をはじめとする建物を配置する。主屋は敷地中央に建ち、木造一階建、地下一階、瓦ぶき。面積は約432平方メートル。大正4年(1915)に上棟。建築から100年近く経過しているが、全体的に保存状態が良い。浜座敷は大正2年、茶室は大正9年の建築。いずれも良材が使われ、意匠的にも優れた近代和風建築として価値が高いという。

旧西村家住宅は現在、西村記念館として公開され、伊佐田の通りと呼ばれる街路沿いに位置している。この付近には、大正期から昭和戦前期にかけて建築された西村伊作ゆかりの洋風住宅が残り、小規模ながら市内では貴重な歴史地区でもある。ここでの建築経験がその後の西村の活動に大きく貢献した記念すべき住宅であり、敷地内には主屋、庭園など彼が設計した構造物全体がよく残され重要であり、これらを保存することが望ましいとされる。





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