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インパクト抜群の車内 |
あれは何だ!? 道行く人を振り返らせるほどのインパクトを放ち、市内の繁華街を中心に走っているネコグッズをたくさん乗せたタクシーネコタク。県外から乗りに訪れることもあるという和歌山の隠れた名物の運転手は、山水タクシーの平賀正夫さん(64)。和歌山市の紀三井寺の山門で購入した1匹のネコの置物から始まったストーリーは12年目を迎え、招きネコのパワーのおかげか、不況の昨今でも指名が後を絶たないという。
平賀さんのタクシーの車番は「888」。「乗ってくれたお客さんが末広がりに幸せになってくれるように、ネコグッズも888個あるんよ。みんな笑ってるやろ」。たまたま自分で買った小さなネコの置物を、一つ飾ったところ、それが寂しそうに見えたために少しずつ買いためたという。
そのうち、常連客が旅行に出かけた際に土産としてネコグッズを買って来てくれるようになり、徐々に増殖。「この銀色の招きネコなんか、フィリピンからの土産やで」と笑う。フロントガラス付近には小指ほどの小さなネコの置物がびっしりと並び、ハンドルにもネコのシールが張られている。
2年ほど前のクリスマスに客からネコの貯金箱をもらい、車番と同じ888個がそろった。中には、客に「目が怖い」と言われることが多いため、平賀さんお手製の眼鏡をかけた招きネコも。平賀さんの娘が手縫いしたぬいぐるみもあり、温かい人柄をうかがわせる。
テレビで放映されたのを見て、はるばる千葉県からやって来た客もおり、初めて乗車した人のほとんどがカメラなどで撮影していくという。
5年ほど前、奇跡ともいえるような出来事があった。大雨の日、水たまりでスリップし、目の前の中央分離帯へ突っ込みそうになった。「もうあかん」と思った瞬間、ハンドルを切ることができ間一髪で命拾いしたそう。「ほんまに不思議やけど、きっとネコの力やと思うわ」とにっこり。客の幸せを願う気持ちをネコタクに乗せ、きょうも平賀さんは元気に市内を走っている。
ネコタクに乗車したい人は平賀さん(090・7965・2135)まで。
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