2010年05月26日

00.社会

アサリ激減問題、第1回調査では原因分からず

和歌山市和歌浦南の片男波潮干狩り場からアサリがなくなった原因を特定しようと、 和歌山市が3月に開始した試験の1回目の調査結果がこのほど、 出された。 約2カ月でほぼ半数に減少したが、 あくまでも自然減の範囲だといい、 農林水産課は 「この時点で食害か環境的要因かを特定することはできない」 と話している。

同所での潮干狩りは毎年、 4月中旬から6月中旬まで実施。 本来この時期は県外からも訪れる人が多く、 にぎわっているはずだが、 アサリの激減で2年連続の中止。 漁業関係者からも困惑の声が聞こえていた。

原因は、 エイや貝を食べるツメタガイなどの食害説、 泥の中のエサ不足などの環境的要因説などいくつかあるが、 特定には至っていない。

同課は3月に潮干狩り場で調査を開始。 3メートル四方の中に900個のアサリを放流し、 エイやツメタガイが侵入できないようにネットをかぶせて生育状況を見守っていた。

2カ月が経過した今月中旬、 同課の職員たちが調査4地点のうち3地点でアサリの数を検査し、 平均53%の生存率を確認。 同課によると、 環境に適さずに自然死した貝も多いといい、 「この程度の減少は想定済み。 まだまだ原因を特定する段階ではない。 今後も調査を継続したい」 と話す。

また、 網を張っていない部分を掘り返してみても、 2センチ以上のアサリはほぼ見当たらなかったという。 辺りにはツメタガイの卵 「砂茶碗」 が至るところにあり、 1センチ程度の小さなアサリですらツメタガイに食べられたとみられる穴が空いていたという。

同課は 「砂茶碗がかなりの数あった。 何が原因か分からない以上、 ふ化する前に一斉に取り去ることができればいいんだけど」 と話していた。





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