|
|
質問に答える貝阿彌所長、 福田検察官、 冨山弁護士 (左から) |
裁判員制度1年を迎えて、 和歌山市二番丁の和歌山地方裁判所で27日、 同制度の説明会が開かれた。 県内から13人が参加し、 裁判官、 検察官、 弁護士の法曹3者に同制度の運用についての疑問や質問を積極的に投げ掛けた。
質疑応答のコーナーでは、 同裁判所所長の貝阿彌誠さん、 福田あずみ検察官、 県弁護士会会長の冨山信彦弁護士が質問すべてに丁寧に回答。 「素人が3日間で量刑を決めることについてどう思うか」 という質問に、 福田検察官は 「難しいが、 自分一人で決めるというのではなく、 裁判員の忌憚 (きたん) のない意見によって被告や被害者が納得のいく刑の重さを決められるのでは」。 また、 「裁判の中で、 性犯罪を受けた人への配慮はどうしているのか」 という疑問に、 福田検察官は 「陳述で被害場所を特定できない程度でとどめたり、 被害者や被告の供述調書を読む際も被害のひどい場面は裁判員に黙読してもらうなど、 プライバシーと心情の両面の配慮を考えている」 と答えた。 説明会の前に窃盗の罪に問われた男の裁判を見た男性が 「自分を被告と置き換えて考えると、 量刑についてもっと勉強せなあかんと思った」 と意見すると、 冨山弁護士は 「裁判員裁判でも、 裁判員は被告の反省の深さまで真剣に見ているという印象があり、 これからは違った弁護の方法も必要だと思った」 と話した。
参加した同市岩橋の楠淳子さん (48) は 「犯罪者の更生や再犯を防ぐことまで考える貴重な体験なんだと改めて思いました」 と話していた。
現在、県内で予定されている裁判員裁判は6月に2件、 7月に2件。
|
00.社会 - 同カテゴリの記事
|