2010年06月04日

02.政治・経済

和大前学長の小田氏が出馬表明、和歌山市長選

和歌山大学前学長の小田章氏(67)は3日、和歌山市長選挙(7月25日告示、8月1日投開票)への出馬を表明した。小田氏は、「市が活性化しているなら私の出る幕はなかった。再生不能に陥り、朽ちていくのを傍観しているのは耐えられない」などと出馬の理由を述べた。一方、現職の大橋建一氏(63)は「8年間やってきて、今の市政を信頼されていることに強みがある」と自信をのぞかせた。市長選には共産党県委員会も候補者擁立を進めている。

実績を強調する大橋氏 - 和大前学長の小田氏が出馬表明、和歌山市長選
実績を強調する大橋氏

「根本から変える」と小田氏 - 和大前学長の小田氏が出馬表明、和歌山市長選
「根本から変える」と小田氏

小田氏は、大阪市出身で、神戸大学大学院卒業の経営学者。和歌山大学経済学部長などを歴任し、平成14年から7年間、学長を務めた。学長時代は、毎月1回程度、定例の記者会見を開くなど大学の情報を積極的に発信。同20年には国立大学で初めて観光学部を設置した。

会見で小田氏は、市の財政について触れ、「増税した上に、公共料金を値上げし、一般会計を特別会計に繰り入れるなどする現市政の方法では、いつか破たんする」とし、「歳出を抑えて、歳入を増やす。和歌山市は人件費などの義務的経費が多すぎる。投資的経費を増やしていかなければならない。根本から変える必要がある」と述べた。

また、「わかやま浮上」をキャッチフレーズに、行財政や教育改革、市民によるまちづくりなど「市民との7つの約束」を公表。なかでも観光は、「和歌山市ほど観光資源に溢れた場所はない。都市圏にないものを掘り下げて資源化したい」と目玉政策の一つとし、意気込みを述べた。

来週には本町周辺に後援会事務所を設置し、具体的な政策などは後日発表するという。無所属での出馬方針で、後援会会長には杉本特許事務所の杉本勝氏(69)が就任する。

一方、大橋氏はこの日、定例の記者会見で小田氏の出馬表明について「ここまで緊張を保つのは難しかった。投票まであと2カ月足らず。もう一回気を引き締めたい」と話した。

小田氏との違いについては、「財政の立ち直りの兆しがあり、直川用地などマイナスがプラスになっている」と実績を強調し、「市民に『良かった』と思ってもらえるような4年間にしたい」と意気込みを述べた。

市長選は、投票まで2カ月を切って、いよいよ本格化してきそうだ。市長選の立候補予定者説明会は10日午前10時から、和歌山商工会議所4階特別会議室で開かれる。

小田氏一問一答

出馬を決意したのはいつごろか
小田 5月の連休明けごろ。3年ほど前から出馬打診の話はあったが、当時はそんな気持ちはなかった。しかし、ことしに入って関係者と懇談する中で「和歌山を何とかしなければ」と思うようになり、決意した。

なぜ出馬表明が今の時期になったのか
小田 勝つための準備が整ったのが今だった。勝てる見込みがあるから出てきた。

「遅いのではないか」という声もあるが
小田 (現職に)遅れは取っていると思う。しかし、(選挙は)時間を掛ければいいというものではないと思う。参院選後が勝負だ。

大橋市政について
小田 活性化策はもっとスピーディにすべき。和歌山のいいところが生かしきれていない。和歌山市が元気にならなければ県全体が良くならない。市が県をリードするぐらいでないといけない。

―市長選への意気込み
小田 和歌山は必ず再生できる。リーダーが変わればその組織は変わる。プラスの方向に変わるようにしたい。やる限りは命がけでやりたい。





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