2010年07月03日

00.社会

花屋の少年補導員、子どもたちのため活動

花の店 かじもと

近くの中学校の生徒と話す楫本さん

花を愛でる気持ちを育て、 子どもの健やかな成長へ。 和歌山市井ノ口で 「花の店 かじもと」 を営む東署少年補導員連絡会副会長、 楫本泰輔さん (67) は、 4年前から市内の学校へ栽培した花を中心に安く提供。 当初は一校だったが、 教職員の口コミなどで今では十数校に広がった。 また、 家族で店へ訪れてもらえるよう取り組んでおり、 楫本さんの育てた花が子どもたちの情操教育に役立てられている。

楫本さんは、 少年補導員歴32年と同署管内の補導員で最も古株の存在。 長年、 少年の補導活動を続けてきた楫本さんは、 自分の店で子どもたちが花に興味を持つ姿を見ていた。 「おばあちゃんと一緒に来た小さな子が、 最初は全然見向きもしなかったのに、 回を重ねるうちに 『この花がいい』 など口を開くようになる。 家族のコミュニケーションのきっかけにもなるのかなと思った」 と花が子どもの健やかな成長に一役買っているように感じたという。

店で何か家族の触れ合いに貢献できないかと考えていたところ、 平成18年に、 「家庭の日」 などに協賛店でサービスを受けられる 「家族のふれあい優待制度」 を県がスタート。 制度開始から協賛店に登録したという。 「家庭の日」 である毎月第3日曜に中学生以下の子どもを連れて来店した場合、 割引が受けられるようになっている (優待券提示必要)。それと同時に、とある学校から花の注文があり、子どものためならと仕入れ値近い値段で販売したところ、口コミで学校からの注文が増えた。

市立紀之川中学校では、 生徒会の生徒と共に少年補導員が学校付近の花壇に年に2回ほど花を植え替えており、 楫本さんに注文している。 植え替えをサポートしている同署生活安全課は 「花屋の目利きを生かして、 元気な花を提供してくれてありがたい」 と話している。

長年の活動が評価され、 近畿少年補導員等連絡協議会の功労表彰で近畿管区内の28人に選ばれた。 「最近の子どもは、 注意しても言い返してきたり揚げ足を取ったりすることもある。 目立ったことをすると嫌われる時代だけど、 言わないと何も変わらない」 とまっすぐ前を見据える。 少年補導員の定年まで残り3年。 花屋の店先から、 子どもたちを温かいまなざしで見つめ続ける。





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