2010年07月24日

00.社会

松江パトロール隊、93歳「竹ちゃんマン」引退

竹ちゃんマン

近所の子どもと話す松本さん

ことしは小学校の入学式に行けなかった。松江地区お帰りパトロール隊(川崎敏弘隊長)の平成16年4月の発足当時からのメンバーで、子どもたちにも竹ちゃんマンと呼ばれ親しまれている松本竹造さん(93)が、体調の悪化でこの春に事実上引退した。現在も体の調子がいい日は松江連絡所のそばにいすを置いて、子どもたちの通学を見守っているが、立って手を振る元気な姿が見られない日も増えてきた。

「足が悪くなってしもたんや」と松本さんは悔しそうにひざをたたいた。この春からは、出掛ける際につえが必需品となった。白内障を患い、目も見えにくくなってきたという。

同隊発足当時からほとんど毎日、県道沿いに立ち、子どもの帰りを心待ちにしていた。「いつもニコニコ竹ちゃんマン」と書かれたタスキがトレードマーク。市立松江小学校の児童以外にも、近くの松江幼稚園や中学校の生徒など、道行く子どもには手を振り、声を掛けていた。毎年、欠かさず出席していた同小学校の入学式に、ことしは体調が悪く行けなかったという。「幼稚園の子らと約束してたのにな」と目を潤ませる。子どもたちの中には、帰宅中に何人かで飛びついてくる子もおり、「うれしいんやけど、ひざが悪いからこけてしまうこともあって。『道路際やから何かあったら危ない』って川崎隊長から言われてて」と話す。

道路上に立つことはなくなったが、晴れの日は連絡所のそばで児童から贈られた「腰掛け」に座り、雨の日は連絡所の中から子どもたちが帰る姿を見つめている。自治会や各種団体で結成された同団体は現在、約750人で、平均年齢は67歳。結成当時から隊員を順調に増やしていたが、ここ数年はやや減少傾向にあり高齢化しているという。「子どもと接するんが生きがいなんよ。何とかして立ちたい気持ちでいっぱいなんやけど、体がようついていかん」と寂しそうにつぶやき、「子どもを守るためにも、児童の保護者にできるだけ活動に協力してほしいと思う」と話している。





この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio


00.社会 - 同カテゴリの記事






カテゴリー
社会
事件・事故
政治・経済
スポーツ
文化・くらし
紀の川・岩出・海南・紀美野

これまでの特集
月別アーカイブ
株式会社 和歌山新報社
cypress.gif