2010年08月18日

00.社会

山田式飛行機つくろう、9月5日フォルテワジマ

山田式飛行機

100年前の明治43年(1910)9月8日、 和歌山市出身の山田猪三郎が完成させた日本初の国産飛行船が東京上空を飛んだ。 この 「山田式1号飛行船」 のミニチュアモデルを、 和歌山市鷹匠町の模型メーカー(有)エアロベースの岩見慎一さん(44)が製作。 9月5日、 複合商業施設フォルテワジマ内フュージョンミュージアム・ニット&トーイ(同市本町)の特別企画で披露する。 100周年にちなみ小学4年生以上100人を募集し、 モデル組み立てを楽しんでもらう。

航空界の先覚者として知られる猪三郎は、 1863年に紀州藩士の子として生まれた。 幼いころからものづくりに優れ、 救難浮輪や円筒型係留気球を発明。 東京大崎に工場を建設し、 飛行船製作と大崎~駒場間の往復飛行などに成功した。

岩見さんは、 エッフェル塔などのほか、 飛行機の模型だけでも31種を製品化しているモデルキットデザイナー。 4月の新聞報道がきっかけで猪三郎を知り、 「同じ和歌山市の人物。 僕がやらなきゃ誰がやる」 とモデル製作を決意したという。

猪三郎のひ孫の豊間清(株)気球製作所社長に相談したが設計図などはなく、 岩見さんは国会図書館で当時の新聞を調査し簡単な図面を探し出した。 さらに特許庁の記録から、 猪三郎が持つ空中飛行船などの特許4件を発見。 それらの図面と写真、 当時の新聞報道などを基に設計した。

実際の飛行船は全長30メートルだが、 模型は300分の1の100ミリに。 上部のゴムびき布製の気のうはウレタン樹脂製にし、 内部の2個の空気調整袋も模した。 総ヒノキ製の船体や麻ロープは極細のステンレスで作り、 船体中央にエンジンと操縦者を置き、 2枚の水平翼や日の丸を張った方向かじも付けた。 セットには特許図面のコピーも添える。

岩見さんは、 「当時の新聞を読むと、 飛行船は現在の宇宙行きくらい注目されていたようです。 昔こういうものを作った人が和歌山にいたことや、 こういう発明があるから現在のものや技術があるんだと、 興味を持ってもらえたらうれしい」 と話している。

5日の特別企画は、 フュージョンミュージアムが昨年から岩見さんと実施している 「金属製ひこうきをつくろう」 の第5回。 午前10時半、 正午、 午後1時半、 3時、 4時半の5回実施し、 対象は小学4年生から大人まで。 参加費は一人2000円。

申し込み・問い合わせはフュージョンミュージアム・ニット&トーイ(TEL073・488・1962)。





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