2010年09月05日

00.社会

みんなの学校地下に私設図書館オープンへ

まちなか交流スペース みんなの学校

段ボールから本を取り出して整理する石田さん

和歌山市のぶらくり丁商店街内にある「まちなか交流スペース みんなの学校」の地下1階で私設図書館の開館準備が進んでいる。大阪府交野市などで「わたしの図書館 ミルキーウェイ」を運営する石田通夫さん(57)が協力し、石田さん所蔵の本約2万冊が並ぶ予定。9月末までの開館を目指す。石田さんは「本を通して地域の活性化の一助になれたら」と話している。

石田さんは、読書好きが高じて、仕事のかたわら7年前に交野市の自宅で「ミルキーウェイ」を開設。インターネットなどを通じて本を貸し出し、利用者からは読まなくなった本を寄贈してもらっているといい、本のシェアの先駆けとして活動している。これまで約50人から寄贈を受け、蔵書は約3万冊にのぼるという。石田さんは「本には所有者の思いがこもっている。その人の歴史や人生だって見えてくる」と言い、所蔵する本の中には絶版や珍しいものも数多くある。遠方からの問い合わせも多いとか。

昨年6月に勤務する会社の転勤で和歌山に住み始めた。あるとき、石田さんの活動を知る市の職員から「みんなの学校の地下が空いています。図書館を作りませんか」と声を掛けられ、8月から本を運び入れた。大正、昭和時代の純文学からミステリーなどの現代小説に至るまで、公設図書館にはないようなラインアップ。段ボール200箱分もあり、仕事終わりや休日に書棚に並べる作業に追われる。

貸し出しの方法はまだ決まっていないが、会員登録制などが候補になっているという。石田さんは、「本をシェアすることで地域コミュニティの活性化を図りたい。にぎわいをつくるための協力ができればいいですね」と笑顔で話している。





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