2010年10月02日

00.社会

和歌山弁を後世に、県が11月から「声」を収集

「おひさん」(太陽)、「そうかえ」(そうですか)。県内各地の方言(紀州弁、和歌山弁)を後世に伝承し和歌山の特色ある文化として県内外に発信しようと県は11月から、各地の代表的な方言の語彙(ごい)・語法についてイントネーションなどの新たな音源資料の収集調査に乗り出す。方言調査は専門家ら個人が行い本に著している例があるが、県は「行政が行う本格的な調査は全国的にも珍しいのでは」としている。

ことし4月に策定した県文化芸術振興基本計画に基づく「和歌山文化情報アーカイブ事業」の一環。方言のほか各地に伝わる民謡や民話についての出展資料や映像、題名、歌詞、話の内容なども新たに収集調査する。

県文化国際課によると、昭和50年代に文化庁が方言のテーマを設定し全国一斉に調査したことがあるが、「自治体が独自に方言の本格的な調査をするのはあまり聞いたことがない」としている。

調査は、県が専門家などの協力を得て「おひさん」「そうかえ」など約500の代表的な語彙(ごい)・語法をピックアップ。合併前の市町村単位(50地域)でお年寄りら平均4人程度を対象に短文を言ってもらい、音源を録音する。

事業は県緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用。収集調査には離職を余儀なくされた非正労働者や中高年者らの失業者があたり、11月から本格的な活動に入る。

県は地理的に南北に長く、同じ意味でも方言は地域で大きな違いが見られるが、昨今はテレビなどの影響でオリジナリティが徐々に薄れているとの指摘も。県文化国際課は「同じ表現でも紀北や紀南でイントネーションに違いがある。音源の収集調査で新たな発見につながることも期待している」とし、調査後はデジタルベース化し、特に特色ある方言は県のホームページで紹介するとしている。





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