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「妻の支えがあってここまできた」と小島さん |
長年の功績をたたえられ、 全国優良警察職員にこのほど、 県警本部刑事部組織犯罪対策課、 組織犯罪取締係長、 小島正人警部補(58)が選ばれた。 全国の受賞者は131人で、 県警からの受賞は一人。 昭和27年の同表彰制度以来、 県警では57人が受賞している。 小島さんは12日、 東京都のグランドアーク半蔵門で、 警察庁長官から表彰される。
「悪い奴を捕まえたいと漠然と思ってた」。 刑事にあこがれ、 昭和46年、 19歳の時に警察官を拝命した。 刑事を熱望し、 昭和51年からは刑事一課盗犯係、 薬物取り締まりなど捜査畑を歩んできた。
薬物取り締まりは22年目。 薬物中毒者の検挙に何度も立ち会ってきた。 部屋から出て来なかったり、 暴言を吐いてくるなど一筋縄ではいかない。 「一家のあるじである男が、 子どもや奥さんの前でしらを切る姿は見ていて胸が痛い」 とつぶやく。 覚せい剤依存の20代の男の自宅を訪れた時は、 すべての窓を目張りして電気を消した状態で部屋にいたという。 「精神が壊れるんや。 薬は人を変えてしまう恐ろしいもの」 と数々の依存者の姿を思い返した。 全国的に中学生や高校生の薬物検挙が増えているが、 県内でも薬物事例の低年齢化を体感している。自身の3人娘の末っ子も現在高校生。 「ファッション感覚なんかな。 『1回だけ』 と思っても絶対あかん。 やったらやめられへん」と語気を強める。
受賞の知らせを受け一番に連絡したのは、 妻(56)だった。 「『おめでとう』 って、 文句一つ言わんとついてきてくれたのは本当にありがたい。 いいプレゼントになったかな」 と、 少年時代の夢をかなえ、 ひたむきに歩んできた柔和な瞳を細めた。
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