2010年10月19日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野/05.紀の川・岩出・海南・紀美野

粉河中の校舎移転計画で住民対立

校舎の老朽化に伴う紀の川市立粉河中学校 (同市粉河) のJR粉河駅南西部への移転計画をめぐり、 推進派と反対派の住民が対立している。 計画では平成25年の完成予定で、 総事業費は約52億円。 当初は反対派のみの活動が目立っていたが、 推進派の動きも見え始めた。 市は計画について 「議会で議決をもらっており粛々と事務を進める」 としているが、 「このままでは粉河の住民同士にしこりを残すことになる」 という声もある。 両派の動きを追った。

【推進派】
地元選出の市議5人が発起人となった 「粉河中学校建設推進の会」 は18日、 中村愼司市長に新校舎の早期完成を訴える要望書を、 各団体の署名とともに提出した。

市によると、 旧粉河町時代には、 土地開発公社が購入した同用地には毎年数千万円の利息がかかっていたが、 学校建設に活用することで事業費の約7割を国が負担する合併特例債が使用でき、 結果的に市民の負担も軽減できるという。 そのほか、 「移転先用地に流れる立石川の改修も含めた、 周辺道路整備で安全な通学路を確保することができる。 工事着工中も安全」 と説明する。

同会は 「粉河地区発展のためには中学校を移転し、 駅周辺から開発するしか活性化の道はない」 と話している。
推進派が中村市長右に事業推進要望書を提出 (18日)
推進派が中村市長右に事業推進要望書を提出 (18日)


【反対派】
地域住民らでつくる 「粉河中学校の教育環境を守る会」 が集めた移転計画の反対署名は、 粉河地区だけにとどまらず地区外にまで広がりをみせ、 これまでに1万2000人分を集めた。 粉河地区からは5000人程度という。 反対を訴える黄色ののぼりも約250本に達している。

同会は先月9日、 中村市長に土地購入費用返還などを求める住民監査請求を監査委員に提出。 現在監査中で結果は来月9日までに発表される。

監査請求後も同会は必死の訴えを続ける。 これまでに新聞折り込みチラシを粉河地区で7回配布。 同会は 「今月中にも粉河地区に8回目、 全市に2回目の移転反対チラシの配布を予定している」 という。 さらに勢いは止まらず車による街宣活動も始めた。

同会代表理事の一人は 「反対派には運動する期間 (監査結果不服の場合、 住民訴訟提訴判決まで) がそれほど残されていない。 今が活動を盛り上げる時」 と話した。
移転反対の署名は1万2000人分集まっている
移転反対の署名は1万2000人分集まっている





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