2010年10月25日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

華岡青洲の偉業たたえ、生誕250年記念シンポジウム

華岡青洲 (1760~1835)生誕250年を記念式典と記念シンポジウム

現在の紀の川市西野山で生まれ育ち、 自らが作り出した麻酔薬 「通仙散 (つうせんさん)」 を用いて、 世界で初めて全身麻酔による乳がん摘出手術を成功させた華岡青洲 (1760~1835)。 その生誕250年を記念する式典と記念シンポジウムが23日、 同市粉河の粉河ふるさとセンターで、 青洲まつりが24日、 同市西野山の青洲の里を中心に開かれ、 集まった大勢の人がその偉業をたたえた。

【23日】 「医聖華岡青洲を語る」 のシンポジウムには、 青洲を一躍有名にした小説 『華岡青洲の妻』 (1966年発表) の原作者、 有吉佐和子 (1931~1984) の長女で、 大阪芸術大学教授の有吉玉青 (たまお) さんが参加。 玉青さんは 「母は祖父が銀行員だった関係でジャワ (現インドネシア) で育ちました。 きれいな川や日本の四季は、 その後に移り住んだ和歌山で知りました。 その経験が 『華岡青洲の妻』 『紀ノ川』 『有田川』 など和歌山を題材にした多くの小説を生み出しました」 と逸話を紹介した。
そのほか、 県立医科大学の板倉徹学長と畑埜義雄教授は 「青洲は乳がん手術だけではなく、 たくさんの手術をしています。 また、 貧しい人からは診療代を取らないなど、 心の医療も大切にした人です」 と述べた。
シンポジウムを聞いた打田の奥野千晶さん(67)は「現代なら『ノーベル賞もの』という偉大な人が近くに住んでいたことを誇りに思いました」と話していた。

【24日】青洲まつりでは青洲の妻「加恵」 の華岡家への嫁入りを再現した、 恒例の青洲時代行列が西野山地区の約1キロを練り歩き、 祭りを盛り上げた。
青洲ら一行は、 加恵の実家である同市名手市場の旧名手本陣妹背家住宅で 「貰い受けの儀」 を行い、 44人の行列で青洲の里に向けて出発した。 ことしは、 青洲役に同市桃山町元の製造業会社員、 宮村友基さん(27)、 加恵役に同市西野山の美容業会社員の澤田美紀さん(23)が選ばれた。 宮村さんは 「すごい人で驚きました。 生誕250年の記念の年に参加できて光栄です」、 澤田さんは 「一日、 楽しかったです。 青洲の頼もしい背中について歩きましたよ」 とそれぞれにっこり。 そのほか祭りでは、 古都清乃さんの歌謡ショー、「華岡青洲の妻」 の演劇、 もちまきなどがあり盛り上がった。





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