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ガレージ内店舗で鍬崎さん右と鍛冶さん |
南海和歌山市駅近くの市駅東商店街にある居酒屋「にんき」のガレージに、小さな八百屋さんがオープンした。和歌山市北島に住む鍬崎壽弘さん(48)が自宅の畑で栽培しているキャベツやキクナなどの野菜や果物を段ボール箱の上に並べ、通行人らに「いらっしゃい」。通りはシャッターを閉めた店舗が目立つが、「ここを拠点に少しでも人が集まってくれるようになれば」と大きな夢を膨らませている。
鍬崎さんはホテル東急イン和歌山に勤めていたが、ホテルの業務移管とともに退職。「ぶらぶらしているよりは何かやろう」と思い、常連客だった居酒屋「にんき」のマスターらの後押しもあり、同店1階のガレージを借り受けて八百屋を始めることにした。
実家では母親が野菜を作っており、知り合いにも農業をやっている人がいる。「市駅には高島屋があるが、この通りや近辺には八百屋はない。今のところ直販の量は多くはなく、中央卸売市場からも仕入れている。安く買ってもらうのはもちろんだが、値段だけでなくおいしいものを提供していきたい」。
16日に開店してまだ10日ほど。なじみ客も徐々にでき、「おいしかった。娘にも分けてあげた」と言う客も。「収益はまだ予定の3、4割くらい。いまは半分ボランティア。徐々に取れたての荷を増やし直販に持っていきたい」と鍬崎さん。
店では東急イン時代の同僚だった鍛冶節子さん(71)が強力な助っ人だ。かつて営業をやっていた人脈と持ち前の明るさで笑顔を振りまいている。「シャッターを閉めた店とお年寄りが多い商店街ですが、何とか元気にしたくて手伝っていますよ」とにっこり。八百屋は午前8時から午後3時まで。売り切れ御免。日祝日は休み。
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