2010年11月05日

00.社会/04.文化・くらし

故小林憲太郎師を顕彰、文協の第61回先覚功労者

和歌山文化協会第61回先覚文化功労者

楠山会長から顕彰状を贈られる小林慶三さん左

和歌山文化協会の第61回先覚文化功労者に、観世流能楽師の小林憲太郎師(1894~1977)が選ばれた。同師は大正9年に小林観諷会を設立し、低迷していた和歌山謡曲界、能楽界の復興に尽力した和歌山能楽界中興の祖。4日に顕彰式典が和歌山市のホテルアバローム紀の国で行われ、同師の三男で能楽師の小林慶三さん(79)=同市吹上=に楠山繁同協会会長から顕彰状と記念品が贈られた。

憲太郎師は兵庫県生まれ。幼少から謡曲の道に入り、神戸観世流のシテ方伊藤家に入門。大正9年に「和歌の浦曲(うらわ)に心引かれて」来和し、和歌山市に小林観諷会を設立した。 そのころの和歌山能楽界は徳川家瓦解により壊滅状態だったが、同師は当時の小原新三県知事はじめ多くの弟子を指導し再建した。
昭和20年7月の和歌山大空襲では自宅も今までの記録もすべて失う不運に見舞われたが、翌21年10月に謡の会を催していち早く再開。23年に御坊町(現御坊市)に日高松諷会を創立。指導や自身の演能に努め、昭和44年に和歌山市文化功労者表彰、50年に県文化奨励賞を受賞した。
小林観諷会と日高松諷会は慶三さんが受け継ぎ、ことしそれぞれ92周年、62周年を迎えた。
式典で慶三さんは、「本年はくしくも親父の三十三回忌でした。(顕彰で)いい供養ができたと感謝しております」とお礼を述べた。





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