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紙芝居形式で新しい物語を発表する学生たち |
和歌山大学教育学部の学生たちが、安珍・清姫伝説で知られる「道成寺縁起」を基にした新たな現代風の物語を完成させ12日、和歌山市吹上の県立近代美術館で発表会を開いた。新しい物語は舞台を現代に移し、生命編、恋愛編、環境編、学校生活編の4作品を制作。それぞれ、清姫が蛇に変身する衝撃のシーンをうまく生かしながらクライマックスを演出し、若者の新鮮な視点で作り上げた物語を紙芝居形式で披露した。
文化財の盗難が多発していることを受けて、県立博物館で開催中の企画展 「 『文化財』 の基礎知識―緊急アピール・文化財の盗難多発中!―」 の関連イベント。
学生たちは 「日本史研究入門」 と 「地域コミュニケータ論」 の受講生30人で、県民に文化財の保存・活用についてあらためて考えてもらおうと、1000年前から語り継がれてきた「道成寺縁起」をテーマに歴史の学習や物語の制作に励んできた。
この日は約50人が来場。学生たちは本当の道成寺縁起を紹介した後、新しい物語を発表した。生命編では、突然の大地震で命の危機にひんした男性を主人公に設定し、主人公の生きたい という強い執念を蛇に変身させることで表現。学生たちは 「生きてるからけんかもできる。死んだら何もできへん」 と熱演し、命の大切さを訴えていた。
生命編を担当した2回生の堂本佳佑さん(19)は、 「蛇への変身という課題をどう表現に生かすか、みんなでアイデアを出し合いました。学習を通してあらためて県の歴史や伝説を学ぶことができて良かった」 と話していた。
企画展では、難しい印象がある文化財を、資料やパネルの展示を通して分かりやすく紹介している。18日と1月8日の午後1時半から学芸員による展示解説も行われる。1月10日まで。
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