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天井に映像が映し出されるドームシアター |
さよなら、ドームシアター。平成6年に和歌山マリーナシティで開かれた「世界リゾート博」のパビリオンとして建てられた県立わかやま館(和歌山市毛見)内のドームシアターが25、26日の特別上映をもって16年目で閉鎖される。シアターディレクターの村田弘至さんは、「作品が変わるたびに来てくれていたファンの方もいました。リゾート博のころのにぎわいを思うと寂しいですね」と話している。
わかやま館は県の行革の一環で、平成24年4月以降の売却、もしくは貸し付けの方向で検討されており、それに伴いシアターが終了することとなった。
リゾート博時、同館オリジナル作品として、一滴の水の旅から和歌山の自然の美しさを描いた「水と大地のうた~紀の国から」は、上映回数2229回、入場者数約38万人を記録。その後、「ナイアガラ」「エベレスト」など人気作品を上映し、最近では平成21年からロングラン中の「宮沢賢治 銀河鉄道の夜」が現在までに約1万2000人を動員した。しかしながら、リゾート博終了後、マリーナシティ利用者の減少に伴って、同シアターの入場者もゆるやかに減少。ここ数年で、和歌山の先人たちを紹介するコーナー「キュービック和歌山」、水族館風の海の博物館「マリンミュージアム」など、リゾート博から継続していたコーナーが相次いで閉鎖し、同シアターのみとなっていた。
ドームシアターは、直径18メートルのドーム型スクリーンに、劇場型のシート180席(車いす6席含む)を完備。頭上一面に、視界に収まらない映像を映し出し、幻想的な世界や迫力ある映像の中にいるような感覚を味わえる。通常の映画の2倍の幅がある70ミリフィルムの映写機「アストロビジョン」は、県内では同シアターにしかないという。
25、26日は、特別上映「さよならドームシアター」と題し、全天周デジタルCGムービー「HAYABUSABACKTOTHEEARTH」などを上映。リゾート博で人気を博した70ミリ映像作品「水と大地のうた~紀の国」もリバイバル上映(リバイバルのみ入場無料)し、26日午後4時からは、開設当時のわかやま館の館長や関係者が集まり、セレモニーを行う。
村田さんは「普通の映画館との違い、ドームならではの良さをもっとアピールしたかった」と話していた。
問い合わせはシアター(TEL073・448・0070)まで。
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