2010年12月26日

00.社会

梅干しの種でプラモ、ヤマトクリエーション和歌山

カブトムシなど梅干しの質感を残した 「梅プラくん」

カブトムシなど梅干しの質感を残した 「梅プラくん」

地元特産の資源を有効利用へ。 ディスプレー器具の製作、 販売などを行う(株)ヤマトクリエーション和歌山(和歌山市湊、 古川雅史社長)は、 梅干しの種を原料に50%以上使ったバイオマスプラモデル 「梅プラくん」 (商標登録済み)を完成させた。 1年越しの研究の結晶で、 梅干しの種をバイオマスに利用したのは全国で初めて。 特産品から出る廃棄物を使った製品として、 来春には県内の土産物店などで販売される予定。

バイオマスとは、 植物など生物由来の有機性資源のことで、 化石燃料に代わる新たなエネルギー源として、 さまざまな技術で活用の幅が広がりつつある。 「和歌山のバイオマスの取り組みは、 全国的に見て遅れてるんですよ」 と話す同社取締役、 統括本部長の古川義高さん(32)は地産地消のバイオマス原料を考えていたところ、 所属する和歌山商工会議所青年部(YEG)の梅干し販売会社の男性から 「加工した際に出る種にイノシシやカラスが寄ってきて、 住宅や畑を荒らして困る」 という話を聞きつけ、 開発研究を始めた。

梅干しの種は、 表皮と中心部の仁という部分の性質に差があり、 プラスチック形成するのは毎回至難の業という。 試行錯誤の末、 梅干しの種とプラスチック原料の比重を50%ずつに調整。 梅特有の抗菌作用があり、 香りや種の質感が残る製品が出来上がった。 塗料で色を付けることもできるが、 「県外の人に土産物として手に取ってもらい、 梅を使っているのが分かりやすいよう、 あえてそのままにしました」 と話す。

今後、 梅プラの抗菌性を生かしたバスグッズなどの商品化も考えており、 「平成27年の国体に使うプランターに、 使ってもらいたい。 使用後にベンチなどに再利用することで、 後世に国体の記憶を伝えることができる」 と義高さんの夢は膨らむ。

梅プラについて地元の小学校などに知ってもらおうと、 今後DVDも作成する予定。 古川社長は 「和歌山ならではの物で取り組むことに意義がある。 身近にエコを考えている企業があると知ってほしいですね」 と話している。





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