2010年12月26日

00.社会

「小梅日記にみる紀州の幕末」、井上さんが冊子に

愛用のパソコンのそばで冊子を持つ井上さん

愛用のパソコンのそばで冊子を持つ井上さん

和歌山市中之島の井上泰夫さん(80)がこのほど、 「 『小梅日記』 にみる紀州の幕末」 を冊子にまとめた。もともと歴史好きで幕末に興味がある井上さんは、 「日記からは一般庶民の感情や見方が分かるので面白い。歴史というのは一方的な見方だけではいかんと分かってきました」 と話している。

冊子は、1823年の紀州の百姓一揆から、大塩平八郎の乱、開国、安政の大獄、池田屋騒動、大政奉還、坂本龍馬暗殺そして1877年の西南戦争まで、日本の流れと紀州藩内事情を記述し、それらについて紀州藩校の校長の妻、川合小梅が日記に書いた部分を載せた。

「小梅日記を楽しむ会」の発足メンバーである井上さんは、「幕末はいろんな人生模様が表れた時代。人が生きていく道しるべに興味がある」と話す。作業を進める中で感じたのは、見方が違えば歴史は違ってくるということ。 「龍馬の船と紀州藩の船が衝突した事件は 『いろは丸事件』 と言われますが、紀州から見たら 『明光丸事件』 ですから」 と笑う。

小梅の初孫の死因について、知り合いの医師に貴重な意見をもらったともいい、「何かやることで人の輪がつながっていくのがうれしい」と笑みをこぼした。

一番興味があるのは、自宅近くに住んでいた人物で、藩政改革を行い明治新政府の廃藩置県と徴兵令に影響を与えた津田出。西郷隆盛に 「あなたは総理大臣になるべきだ。私はついていく」 と言わせた逸材だという。

井上さんは、 「小梅日記をもう少し深く掘り下げたい。それから津田出についての勉強を完成させたい。津田が藩政改革をした時の小梅日記が見つかってほしいですね」 と話している。

問い合わせは井上さん (TEL073・422・6953)。





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