2011年01月17日

00.社会

日弁連の宇都宮会長が貧困解消で講演

貧困の解消へ向けた取り組みについて話す宇都宮会長 

貧困の解消へ向けた取り組みについて話す宇都宮会長

和歌山弁護士会 (冨山信彦会長) は15日、 和歌山市の市民会館でシンポジウム 「貧困の解消を目指して~すべての人が人間らしく働き生活する権利の確立を!~」 を開き、 日本弁護士会連合会の宇都宮健児会長が貧困の現状について講演した。 日弁連が貧困問題の実態を訴えようと、 平成22年末から各地でシンポジウムを行っている全国キャラバンの一環。

宇都宮会長(64)は基調講演で、30年近く取り組んできたヤミ金問題から見えてきた課題について話した。

消費者金融などへの借金で、返済に苦しむ人たちの相談を受け、法律の改正へ向けて運動を始め平成18年に改正貸金業法が成立。上限金利が引き下がるなどしたが、借金から抜け出しても低所得による生活苦で、ヤミ金(無登録の業者)に手を出すなどイタチごっこになり「貧困を解消しないと、根本的な解決にならない」と主張した。

平成19年には関連団体と共に反貧困ネットワークを立ち上げ、20年末には、東京の公園に貧困者を集め、宿泊する場所や食糧を提供し、生活保護受給のサポートなどをする「年越し派遣村」を行った。その活動は現在、20都道府県に広がっているという。

一方で、借金苦で自殺しようとした男性の言動から、「たとえ生活保護で暮らしを手に入れても、友達もおらず、頼る場所もなければ、生きる張り合いがない」と人間関係の希薄化について言及。男性がとある支援団体に属してから、笑顔を見せるようになったとし「貧困当事者にとっては(人間)関係の貧困を解消するのが最も大切。社会全体で、孤立している人に手をさしのべてあげることで、光が見えてくるのでは」 と呼び掛けた。





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