2011年01月17日

00.社会

阪神大震災から16年、和歌山市でも訓練や講演

毛布の担架に挑戦し持ち上げる参加者(松下体育館で)

毛布の担架に挑戦し持ち上げる参加者(松下体育館で)

阪神淡路大震災から16年目を迎える17日を前に16日、各地で減災や防災のための取り組みや、講演などがあった。和歌山市を拠点に青少年健全育成に取り組む5団体でつくる 「和歌山市青年団体協議会」 は、もしもに備え助け合えるようにと防災運動会を同市西浜の松下体育館で開催。また、市は同市八番丁の消防局庁舎で公開講座を開き、兵庫県の 「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」 の職員が講演した。地震など災害について詳しく説明し、防災対策などの指導もあった。

防災運動会
市青年団体協議会は、5団体で互いの特徴を生かしさまざまなことを学ぶ場として、 「防災」 をテーマに初めて運動会を主催。参加者は毛布を使った担架リレーや、三角巾を使った応急処置などを競技に見立て、いかに正確に早くできるかを競った。
同協議会のメンバーや小学4年生以上の子どもたち40人が参加。木の棒と毛布、毛布のみの担架の使い方を学んだ。毛布のみの使用法では 「端をきっちり巻き込んでいく」 「6人から8人くらいで、手は内側に入れ込むように持つ」 などと指導を受け、参加者はそれぞれ声掛けをしながら息を合わせて作っていた。
毛布の担架に乗った市立高松小学校4年の日野遥さん(9)は 「ちょっと怖かった。家でもできそう」 と話していた。



市民公開講座
地震の仕組みなどを話す奥村研究員
地震の仕組みなどを話す奥村研究員
消防局庁舎で行われた公開講座 「22年度市民防災大学」 (同市主催)では、 「阪神・ 淡路大震災記念 人と防災未来センター」 の奥村与志弘主任研究員が講師となり 「津波の現象理解と将来の津波災害」 と題して講演した。
奥村研究員は、江戸中期から昭和初期までに起きた南海・東南海地震を例に挙げ、「90年から150年に一度起こっていることは事実。100年のサイクルで防災を考えなければ」 と訴え、岩盤や地盤がずれることで発生する地震の仕組みなども説明。直下型地震は、 南海・東南海地震などのプレート境界型地震の前の40年と後の10年に起きやすいとし、阪神淡路大震災は次に大きなプレート境界型地震が起こる前兆の可能性があると話した。参加者は真剣な表情で資料に目を通し聞き入っていた。

今福小で避難訓練
ハンカチで口を覆い避難する児童(17日、今福小)
ハンカチで口を覆い避難する児童(17日、今福小)

和歌山市今福の市立今福小学校(三木佐文校長)で17日、地震による給食室の火災、津波の発生を想定した避難訓練が行われた。
全児童約260人は訓練開始の放送が入るとハンカチなどで口や鼻を覆いながら、小走りで運動場へ避難。その後津波を想定し、足並みをそろえて階段を駆け上がっていった。三木校長は震災時にはトイレに困るなどを例に挙げ、自宅でできる対策で風呂に湯を残しておくことや、津波のときは高いところへ逃げるのを意識するよう子どもたちに呼び掛けていた。
4年生の塩﨑裕貴君(10)は 「(災害に遭っても)ちゃんと逃げられると思う」 と自信満々だった。


和歌浦小で減災教育
紙ぶるるを使って実験する児童(17日、和歌浦小)
紙ぶるるを使って実験する児童(17日、和歌浦小)

同市和歌浦西の市立和歌浦小学校(森川万喜子校長)でも同日、県民減災運動推進事業の一環として、減災教育本「命を守る県民減災運動~地震に強いまちづくりをめざして~」 を使った地震対策研究の授業があり、5年生27人が受けた。子どもたちは、阪神淡路大震災時の写真を見て、何が必要かなど思ったことを答えたり、組み立て式震動模型「紙ぶるる」を使って耐震補強の実験をした。実験では二人組になり、筋交い(ブレース)があるものとないもので揺れにどんな違いがあるかを調べた。
5年生の九鬼介杜君(10)は 「あるのとないのでだいぶ違う。あるほうが揺れが少ないことが分かった」 と納得した様子だった。





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