2011年01月18日

00.社会

和歌山市の中学校給食、初の協議会は賛否両論分かれる

和歌山市立中学校での給食開始を検討する「第1回市中学校給食協議会」(会長・矢萩喜孝和歌山大学教育学部教授)が17日、同市の市教育文化センターであり、大学教授や校長、教員、保護者ら20人の委員が給食の是非や実施方法などについて意見を交わした。協議会では給食開始賛成の意見が多かったが、現場の教員からは「現段階の職員数では対応できない」「戸惑いがある」などの意見もあった。次回は3月下旬ごろに開催する。


中学校給食については、市教委が平成20年1月に生徒と保護者、教職員を対象にアンケートを実施し、保護者の約9割は賛成だが、教職員は約8割が反対していた。

本格的な実施に向けた議論は今年度の市議会本会議や経済文教委員会で活発になり、市教委は「平成23年度中に一部の学校で試行的に実施すること」などを明らかにし、12月議会で同協議会の設置を明言していた。

この日の協議会では、市教委が小学校での給食実施状況や議会での経緯などを解説。県内30市町村の中学校給食実施状況では「実施していないのは和歌山市と海南市など2市3町である」と説明した。

すでに給食を実施している岩出市立岩出第二中学校校長の橋村泰爾委員は、給食センターで給食を作り配送する方式を活用しているとし、「給食の実施で教員から不満は出ていない。給食費の滞納は数人いる」と現場の実態を説明。

有功中学校教頭の西岡佳孝委員は「教員の昼休憩減少、アレルギー対策、食べ残しなど、給食にすると負担が増える」と給食への不安を訴え、民間の調理場で作り配送するデリバリー方式を実施している紀の川市立貴志川中学校校長の木村彰吾委員は「確かに教員の休憩時間は減り、事務負担も増える。アレルギーに関しては個別にメニューを作ってくれる」と答えた。教員からは「最低限の人数しかいないから、給食を実施するのは大変」、「調理場をつくる場合は多額の予算がいる。その予算をほかに回してほしい」という意見も出た。

保護者からは「ぜひ実施してほしい」という声が多数を占めたものの、「弁当は親の愛情を感じられるものでもあるので、さまざまな意見を聞いた今は複雑な心境だ」と言う人もいた。矢萩会長は「大変悩ましい問題。まずはこの協議会で話し合うのが給食開始の第一歩になる」と話していた。





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