2011年02月16日

02.政治・経済

紀の川市で鳥インフルエンザ、12万羽処分開始

防護服を現場に運び入れる県職員

防護服を現場に運び入れる県職員

県は15日、 紀の川市貴志川町の養鶏農場で高病原性鳥インフルエンザが発生したと発表した。 県内初。 採卵鶏約12万羽を飼養する県内最大規模の農場で、 県は本庁と那賀、 海草、 有田の3振興局に対策本部を立ち上げ、 同日夜から3交代450人体制で全羽の殺処分に乗り出した。 対策本部長を務める仁坂吉伸知事は 「まん延を防ぐためにできるだけ早く作業を完了させたい。 全庁を挙げ全力で取り組む」 と職員に呼び掛けた。

仁坂知事によると、 殺処分は遅くとも3日以内に終わらせ、 同市貴志川町高尾の山田ダム周辺の地下5メートルに埋める。 作業を可能な限り早く終わらせるため自衛隊にも協力を要請した。 この農場からすでに出荷された卵については安全としている。

同日午前9時10分、 農場から 「10羽死んでいる」 と県の紀北家畜保健衛生所に連絡があり、 同所が簡易検査を行ったところ、 死んだ鶏の5羽中4羽、 生きている鶏の5羽中1羽に陽性反応が出た。 その後の遺伝子検査で10羽中10羽に高病原性鳥インフルエンザを示す 「H5亜型」 が確認された。 県では今月2日から県内農場109戸を対象に施設などの一斉点検を行ってきたが、 この農場は特に問題がなかったという。

対策本部はこの農場の鶏を隔離して立ち入り制限などを行うとともに、 半径10キロ以内にある11カ所の農場(和歌山市2、紀美野町6、 有田川町2、 紀の川市1、計2万5000羽) に鶏や卵の移動を自粛するよう要請した。

仁坂知事には簡易検査で陽性反応が出た午前10時45分ごろ報告され、 仁坂知事は午後の予定をキャンセルして大阪から戻った。 午後6時55分に遺伝子検査の結果が判明。 7時半に第1回対策本部会議を開き、 会議後、 報道機関に今後の対応を説明した。 県では 「鶏の卵や肉を食べることにより、 鳥インフルエンザウイルスが人に感染することは世界的にも報告されていません」 とし、 県民に冷静な対応を求めている。

国会議員が農林水産省に対策強化徹底申し入れ
県での鳥インフルエンザの発生を受けて、 二階俊博、 石田真敏の両衆院議員と鶴保庸介、世耕弘成、大江康弘3参院議員は同日、農林水産省に対策の強化徹底を申し入れた。 まん延防止に向けた早期通報体制の確立▽専門家の現地派遣など防疫体制の強化▽鶏の移動制限命令に協力した農家に対する救済措置への十分な配慮▽経営安定対策の充実▽風評被害の一掃▽感染経路の究明の6項目について速やかに実現するよう求めている。

民主党県連も岸本周平衆院議員を本部長とする対策本部を設置した。





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