2011年03月01日

00.社会

ハイチ地震派遣の看護師ら状況報告

現地での活動を報告する松近さん㊨と藪本さん - ハイチ地震派遣の看護師ら状況報告

現地での活動を報告する松近さん右と藪本さん

昨年1月12日に発生したハイチ大地震の写真展(日本赤十字社県支部主催)が開かれている和歌山市本町の複合商業施設フォルテワジマで28日、特別講演会があり、復興支援に携わった看護師らが来場者約50人に現地の状況を伝えた。日赤和歌山医療センター看護部の松近真紀さん(35)は、ごみで溢れかえった不衛生な街の様子などを写真で紹介し、発生から1年がたった今も130万人以上が避難生活している現状を「少しでも知ってほしい」と語り掛けた。


松近さんは昨年5月からことし1月まで約8カ月間派遣され、救急医療チームとして活動した後、衛生知識の普及に尽力。元々、トイレの整備が進んでいない国で、人々は川などで用を足し、その川で洗濯や炊事をしていたという。松近さんは現地の若者たちにその危険性を伝え、歌で手洗い方法を指導するなどして衛生知識を広めていった。

そんな環境の中、昨年10月に怖れていたコレラが発生、水を介して全国へと感染が拡大した。ハイチでコレラが発生したのは初めてで、松近さんたちは現地の人に「外国人がコレラを持ってきた」と非難され、石を投げられるなどして数日間外出できなくなることもあったという。松近さんは「それでも向こうで精いっぱい活動できたのは、皆さんの後方支援があったから」と話し、来場者に赤十字活動への一層の理解と協力を呼び掛けた。

地震の発生直後に派遣された同センター国際医療救援部長の藪本充雄さん(56)は、倒壊した建物や、足の指を失った子どもを手術する様子などを写真で紹介した。また、赤十字の支援活動は日本だけでなく多くの国と協力し合って行われることを強調し、「赤十字社は病院だけでなく、海外でこういった救援活動にも取り組んでいることを知ってほしい」と話していた。

県からは、現在もニュージーランド地震の心のケアを行うため、和歌山赤十字看護専門学校の専任教師、畑下眞守美さん(49)が27日から現地に派遣されている。写真展は2日まで。





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